宮崎県知事選に当選から一夜明け、そのまんま東の当選を祝福するムードは、マスコミの論調を含め、あまり感じられない。
それは、無党派層の支持を得て当選した東京の青島幸雄知事や大阪の横山ノック知事、さらには長野の田中康夫知事らのタレント知事の実績でも分かるように、舵取りができるのか、という疑問符だ。
タレントではないが、同じく新幹線新駅建設の中止を訴え、無党派層の支持を得て当選した滋賀の嘉田由紀子知事も、オール与党という県議会との対立構造の中で孤軍奮闘しているように、改革を訴え無党派層の支持を得て当選しても、本人にしがらみがなくても、しがらみだらけの県議会や県の職員の協力が得られないことには、思うように行かない、という懸念だろう。
既得権益でがちがちのピラミッドはそう簡単に崩れるものではない。
本当に宮崎県を改革したい、と県民が望んでいるのであれば、市民が県議会にも傍聴に訪れ、県民の民意が反映されているかどうかチェックして行くことも必要だろう。
今回そのまんま東が当選したショックは無党派層が動いただけでなく、自民、公明、共産党の支持者がそのまんま東に投票したことだ。
そのため、7万票という大差をつけて当選したわけだが、政党離れが起こり始めている、ということだ。組織票の中で大きな割合を占めるのは創価学会と建設業界。これがうまく機能しなかった。
今回の宮崎県は官製談合で知事が辞職に追い込まれたために、特に談合が問題となった建築業界は選挙応援がまったくできなかった、という背景があるにせよ、県民はそのまんま東を選んだ。
自民党推薦候補が負けたことに対して安倍総理は「地方選挙だから地方の判断。地方は地方。参院選は国政選挙」と歯牙にもかけないそぶりをみせたが、宮崎県知事選からの政党離れが大きな流れになるかどうか、安倍総理は夜も眠れない状態がこれからず~と続く。
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