北京オリンピック最後の一枚の切符を手にした高橋尚子の大復活劇を遂げた舞台裏となる特番のハズだった。
結果は高橋尚子のマラソン記録としては最低のタイム。それでも完走だけは果たす。
今、その理由が分かった。
テレ朝で夕方6時から放送された「緊急SP!!高橋尚子復活へ衝撃の右足手術。涙の壮絶リハビリ映像独占初公開」がそれだ。
この特番は一か八かの賭けだった。
特番を組んだ以上、優勝しようが、負けようが放送枠だけは動かせない。負けたら負けたなりの番組構成は考えていたはずだが、番組制作にあたり完走だけは契約上必須だったのではなかろうか。
それは、それとしてもう一つ完走の条件がファイテンがこの番組のメインスポンサーだったこと。
ファイテンのホームページにはこんなお知らせが。
ファイテンスポーツスペシャル「誰も知らない高橋尚子」が放送されることになりました。
ファイテン所属の高橋尚子のこれまでの奇跡を中心にした1時間番組となっております。
是非、ご覧くださいませ。
やはり負けたので番組タイトルは変更されている。
番組は昨年8月に行った右ひざの手術を中心に構成されていたが、手術前から手術当日、術後のリハビリの様子が克明にビデオに納められていた。
名古屋まで残された期間はわずか7カ月。
早期に回復できるものは何でも採り入れた。その中で酸素カプセルに入ってワンシーンが流れた。高気圧の酸素カプセルに入るとけがの治りが早い。
日韓ワールドカップ直前に骨折したベッカムが驚異的な回復力で試合に間に合ったことから注目を浴びた。

これがファイテンのロゴが入った製品で、1台450万円。
これが特別協賛の一コマでもある。
筋書きとしては試合の7カ月前にひざにメスを入れながら、驚異の回復力で北京の切符を手に入れた高橋尚子!と謳いたかったはず。
2004年のアテネオリンピック予選会でもあった東京国際女子マラソンで、選外になりながら2005年の同大会では見事な復活劇を遂げた。
このとき高橋尚子がファイテンのRAKUWAネックを首やけがしていた足首に巻いて走っていた、というコマーシャルを番組中にも1本流している。
今回の敗因について恩師の小出監督は「ひざの手術が原因ではない」と明言している。
娘の晴れ舞台を応援する高橋尚子の父親も9キロ地点で脱落した時の足取りより、42キロの長丁場を走りきり、競技場に入ってきた時のほうが軽快だともいっていた。
レース前に突如襲った体調不良、といわれているようにレース中にビルのトイレに駆け込んでいる。中国合宿の“呪い”の潜伏期間がこの日に現れたのか、腹に力が入らなかったようだ。
ひざの手術を乗り越えて見事な復活劇を果たした高橋尚子!
その影にはファイテン製品の数々があった、というシナリオで番組スポンサーになったファイテンであるが、やはりファイテンのチタン製品にはプラシーボ効果しかないことを印象づける結果となった。
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国民の大注目を浴びながら序盤の9キロ地点で早々と脱落してしまった高橋尚子。
それでも途中棄権することなく最後まで走りきり、2時間44分18秒のタイム。27位でゴールする。
その原因が何だったのか大いに気になるところだが、レース後の記者会見で去年8月、右ひざの半月盤の手術をしていたことを明らかにした。
異変は5キロ地点の給水所で起こった。
スペシャルドリンクを取り損ねた高橋尚子は、その代わりに取った紙コップの水を一口含むと残りは右ひざあたりにかけていた。
これが調子が悪いというシグナルだった。
会見の冒頭、高橋尚子は明るくこう話し始めた。
「やっちゃいました。これが夏からの実力です」
その後去年8月に右ひざ半月盤の手術をしたことを明らかにした。
走り始めてすぐに体が動かないことに気づき「おかしいな」と思いながら走っていた。
レースまで残された期間は7カ月。メスを入れるべきかどうかは大いに迷った。手術をして100%力を出し切れるかどうか不安だった。
しかし、残された期間は短いが手術を選ぶ。
術後はベッド生活から始まり、松葉杖、歩くことからのスタートだ。70キロ走の練習ができるようになったのは今年に入ってから。
長い距離が走れない、スピード練習もままならない。
それが冒頭の「夏からの実力」ということになる。
「諦めなければ夢はかなう」
これを8月からくじけそうになる自分に何千回と自分自身に言い聞かせてきた。マラソンレースに出られるコンディションの中で臨んだ名古屋だった。
今日の結果を見れば、周囲は引退するのかと思うが、本人は引退をキッパリと否定した。
チームQのスポンサーでもあるファイテンの社長に「もう少し走らせてください」とお願いした、という。
記者から4年後のロンドンを目指すのかと質問されるとそれはやんわりと否定した。
「4年後はまだ考えられない。1個1個の目標をクリアしてその先にあるもの。次の目標は決まっている」
高橋尚子の心の支えになっているのが39歳の弘山だ。彼女ががんばっている姿を目の当たりにすると、マラソン選手をまだ諦められないようだ。
万全な体調で臨めなかったことは、日々の自己管理の問題。
ファイテンのイメージダウンにつながった今回の高橋尚子の走り。それでもファイテンはスポンサー契約を結ぶだけの太っ腹ぶりがあるかどうかだが。
その昔、ダイハツに小鴨由水というシンデレラガールがいた。92年、初マラソンの大阪女子で優勝してその年のバルセロナオリンピックに出場する。
ところが体調不良のまま強硬出場。2:58:18の29位に終わり、完走するだけで精一杯だった。その後すぐにダイハツを退社するが、その原因が本人の自己管理にあった。
禁止されている夜のおやつが止められず、見つかっては監督に怒られていた、という。結局、仕事で走ることよりも食べる喜びを取った。
すぐに太ってしまう体質だったようだ。間食さえ絶てたら一流ランナーになれる素材だった。
高橋尚子も自己管理で、けがをしない練習が求められる。
けがをして、ファイテンを身に着けても短期で元通りになれないことも実証された。
骨折したときに驚異的な回復力で一躍有名になったベッカムが使った酸素カプセル療法はやっていたのだろうか?
疲労回復はファイテンの首輪より酸素カプセルだろう。
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で、この特集コーナーの終盤でいきなりファイテンのネックレスの話しに。
ゆうこりんが「松坂選手や松中選手が首につけていたものは何だと思いますか」と値段つきで紹介。
スポーツ選手が普段つけているRAKUWAネックとはタイプが違い、三つ編状が特徴だった。
1980円ぐらいだったか?意外と安い。
時間にして1分もなかったような気がしたが、非常に唐突に思えた。
これ、正木プロデューサーがファイテンから金をもらっている、と疑いたくなるようなカットインだった。
あれはチタンを染み込ませた布を織り込んだもので、アクアチタンのパワーが首から全身に伝わり、リラックス効果があるそうだ。
心と体を開放することで、緊張する場面でも最高のパフォーマンスが発揮できるとのこと。
バレーボール選手やマラソンの高橋尚子も愛用者の一人。
WBC効果でさぞかし宣伝になった、と思うが、大リーガーのランディー・ジョンソンも着用している。
日本の組織野球が世界に見直されたように、日本の野球の強さの影にはいつも平常心で戦えるファイテンの力があった。
こんなことを書いてもファイテンからRAKUWAネックは送られてこない。
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