スロプロから足を洗い、今は福島県で除染作業をやっている会社で事務職として働いている人の話。
福島県では今、イノシシの肉は絶対に食べないようにとの指導が入っている。イノシシはタフで環境の変化にも対応する適応力がある。ゴーストタウン化した避難地域ではイノシシが我が物顔で歩いている。
「キツネは頭が剥げたりして放射能の影響が出ているんですが、イノシシは汚染されたものを食べても、とにかく元気なんですよ。だからイノシシ肉は食べたらダメなんですよ」
ところが誘惑に負けて、同僚がイノシシ肉を食べてしまった。退社する時は被ばく検査をするのだが、この時ありえないような数字が出てしまった、という。
「小遣い稼ぎに福島で獲ったイノシシが流通しているようなんですよ。もちろん、産地は偽装しているので、流通しても分かりません。シシ鍋は食べない方が無難ですよ。そもそも見た目で産地なんか分かるはずもありません」
これからボタン鍋が本番を迎えるが、君子危うきに近寄らずだ。