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日々のニュースから業界ネタまでかきなぐります


by tetorayade

2010年 03月 24日 ( 1 )

討論番組の最も悪い見本を観てしまった気分で番組が終了した。

22日に放送されたNHKの 放送記念日特集「激震 マスメディア~テレビ・新聞の未来」 がそれ。紙媒体に長らく身を置いていた者としては、新聞の未来に興味を惹かれてしまった。
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番組冒頭の現状分析までは引き込まれた。

新聞を読まない、テレビを観ない若者が増えている。それを言い換えるなら、政権交代に引き続いてメディア交代が起きようとしている、と。

まるで、新聞、テレビに取って代わるのは、インターネットとでもいいたげ。

アメリカの流行を追い続けたのが戦後の日本。アメリカで起こったことは、必ず数年後には日本でも起きる。それがこれまでの歴史でもある。

アメリカでは老舗新聞社といえども販売部数と広告収入の減少から、廃刊の憂き目にあっている。その一つが150年の歴史を持つロッキーマウンテンニュースだった。

ニュースを掘り下げ、埋もれてしまうようなネタにも光を当ててきた編集方針に、何度もピューリツアー賞を受賞している。

そんな良質の新聞社でさえも、広告収入の落ち込みは経営を直撃した。

ネットでニュースがただで読めることにより、アメリカでは1万人のジャーナリストが職を失っている、という。アメリカでは紙の新聞は数年で消えるとまでいわれている。

新聞が消えるといわれる理由は、新聞社の高コスト体質だ。大新聞は新人記者でもハイヤーで取材現場に乗り付けていた。しかもカメラマンとセットで。

一番の問題点は、速報性の時代に未だに新聞を印刷して、各家庭に宅配するシステムだ。これが高コスト体質の根源でもある。

われわれぐらいの世代になると新聞は生活のリズムになっているので、簡単に止めることができないが、昔からほとんど読み飛ばして無駄が多い。

チラシも必要ではないので、新聞を止めても何ら困ることはないのだが、朝のトイレに新聞が必要なだけ。

これに対して新聞界の代表のパネラーはこう反論する。

「日本とアメリカでは新聞の収益構造が違う。アメリカは広告収入が8割に対して日本は3割。日本の宅配率は95%に対してアメリカは75%、フランスに至っては29%」

つまり、アメリカのように広告収入が大きな柱ではないのと、宅配制度によってアメリカのようにはすぐに廃刊に陥ることはない、といいたげ。

ただ、購読収入も若者の新聞離れによって今後はどんどん下がってくることは、容易に想像できる。ましてや人口が減っていくわけだから、広告収入に頼っていない、といっても安泰ではない。

この広告収入比率でいえば、これは業界誌にはあてはまる。収入源の8割を広告に委ねる収益構造の中、広告収入のつるべ落とし的激減で、明らかに赤信号が点っている。業界も客離れが加速し、景気回復にはほど遠い。

アメリカの潮流でいえば、ニューヨークタイムスが電子新聞で課金制にしたり、政治情報に特化したネット媒体の「ポリティコ」が専門性から高い評価を得ている。ネット媒体なので主軸となるのは記者70人と編集20人という体制。

さらにポータルサイトであるAOLは、メディアからのニュースを配信するのではなく、3000人の記者と契約して、独自にニュースを流す時代に変わってきている。

新聞がどんどん廃刊に追い込まれたり、新聞が電子新聞に変わったり、ネットメディアが新聞を凌駕する動きがアメリカでは起こっている。

アメリカで起こっている新聞業界の潮流までは興味深く観ていた。

では、日本のテレビ、新聞はこの先どうなるのか?

一番知りたいのは、ここからだが、番組に出演したパネラーは各自の立場から持論を展開するだけ。いつまでもパネラー同士の話が噛み合わない。

これでは討論にもなっていない。

日本でも1次情報を提供する新聞、テレビがなくなっていくのか? 

この先地方紙やローカル局は倒産することがあるかも知れないが、大手出身のパネラーたちは古巣の会社は「絶対に安全圏」という特権意識が言葉の端々から伝わってくる。

この辺の意識改革から始めないと生き残れない。

新聞記者よりも専門的知識を持っている人が有益な情報をネットで発信する時代である。

それを読者は比較しながら読んでいるが、新聞はタブーを恐れるあまり、知りたい情報を意図的にカットしている場合もある。

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by tetorayade | 2010-03-24 06:22 | テレビネタ