アメリカの象徴でもあった自動車産業が瀕死の危機に直面している。
ビッグ3の一角であるGMが決算発表したが、最終損益は2500億円となった。これから大規模な人員削減や工場閉鎖が予定されている。
格付けでは投資不適格級までダダ下がり。資金繰りが極度に悪化し、公的資金を注入しなければ倒産するところまで追い込まれているようだ。
オバマ新大統領の最初の仕事がGMなどの自動車産業救済をために公的資金を注入するかどうかの決断を迫られることになる。
オバマ氏は「経済対策のためには就任を待っていられない」とアメリカの経済危機の建て直しを最優先しており、自動車産業は「アメリカの背骨」とみなしているので、民間企業だからといって公的資金を注入しないことはないようだ。
儲けさえすればいいとばかりに、市場にすべてを任せてきたアメリカの“カジノ資本主義”が批判を浴びている。
アメリカの自動車産業もそれに似ている。アメリカはガソリン代が安かったので、図体のでかい車ばかりを作ってきた。環境への配慮もなく、燃費のいい車を作ろうとしてこなかったツケが今の結果だ。
トヨタが1兆円近い利益を失ったのは、GMとは内情が幾分違う。
円高差損で6900億円も失うことになったことが大きい。
オバマ氏の経済政策は富裕層の増税。労働者の95%の減税を打ち立てている。
アメリカの富の40~60%をわずか1%の富裕層が握っている、といういびつな国だからこんな政策も打ち出せる。
富の再配分をバランスよく分配するだけでも、アメリカは救われるということなのだろうが、そんなことしたら、第2のケネディーになってしまうのではないかと心配される。
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