人気ブログランキング |

日々のニュースから業界ネタまでかきなぐります


by tetorayade

道頓堀の妄想

タレントとして求職活動中の「くいだおれ太郎」の再就職先が決まった。やっぱりくいだおれ太郎には道頓堀が似合うということで、来年リニューアルする現セラヴィスクエア中座に移動することになった。
b0017844_18221839.jpg

道頓堀はいつも観光客で溢れかえっている。

大阪観光のスポットとして絶対に欠かせない場所として賑わっているように見えるのだが、くいだおれが閉店したように、現実の道頓堀の地盤沈下は甚だしい。

その理由は、観光客は道頓堀にお金を落とさないからだ。

修学旅行生や中国・韓国の団体客が道頓堀で落とすお金はたこ焼きかラーメンぐらい。

グリコの看板を背景に記念写真を撮り、かに道楽、今は亡きくいだおれ太郎の前を通過して、日本一のおおだこでたこ焼きを食べたら、道頓堀観光はそれでおしまい。

道頓堀をウォッチしていると本当に流行っているのはタコ焼き屋ぐらいしかない。

かつては、道頓堀が芝居小屋の街として栄えた時代を知る者は少ない。

道頓堀五座ともいわれ、芝居小屋が5つもあった。寄席や芝居の衰退で次々に姿を消した。

中座と浪花座の跡地には、奇しくもパチンコ業界で当飛ぶ鳥を落とす勢いのメーカーだったアルゼとサミーが商業ビルを建てることになる。

2004年のことだった。
b0017844_18264443.jpg

4月14日、一足早くオープンしたのがアルゼ道頓堀ビルだった。キーテナントは地下1階から地上2階までの3フロアを陣取ったパチンコ店。3階から7階までのフロアは飲食店が入った。

それから、少し遅れて7月2日にサミー戎プラザがオープンする。こっちはゲームセンターやフィットネスクラブ、昭和初期の街並みを再現した飲食店街の複合だった。店の店員は店員という役柄を演じるということも話題となりマスコミにもさんざん取り上げられた。
b0017844_18244444.jpg

鳴り物入りのオープンだったが、両社とも4年あまりで撤退を余儀なくされる。本業の業績が悪化するのと同じ軌道を描くかのように。

なんといっても客が来ない。

特にサミー戎プラザは昭和の町並みを再現した飲食店街へ入るのに入場料を取られることが不評だった。地元のリピーターよりも明らかに観光客をターゲットにしていることが分かる。

ま、入場料不要のアルゼだって状況は変わらない。

アルゼ道頓堀ビルの方はテナントの出入りが激しかった。道頓堀唯一のコンビニですら持たなかった。

アルゼ道頓堀ビルの最初の大誤算はキーテナントのパチンコ店だった。

確か10年契約で入ったはずなのに、わずか1年余りで撤退してしまった。

道頓堀ではパチンコ屋は流行らないジンクスがあるほど。今回は3フロアで1000台オーバーの台数で集客力はあるはずだったが、そのジンクスを破ることはできなかった。むしろ巨大さがあだとなった。

その後、比較的元気があるパチンコ店が入ったが、赤字を生むばかりであえなく撤退した。

パチンコ店ですら客が来ない。上階にある飲食店はもっと厳しい状態だった。昼間に2~3度。夜も1回食事したことがあるが、全体的に閑散としていた。道頓堀という立地にもかかわらず集客力がまるでない。
b0017844_18351692.jpg

体力のないテナントの撤退が相次ぎ、今や館内は廃墟のようになっている。ちゃんこダイニング「若」も入店していたが、今はその姿もなく、シャッターが閉ざされている。

そういえば、現在取り壊し中の角座の2階で一時期ラーメンスタジアムをやっていたが、ラースタブームも終わりかけのころだったので、これも長続きしなかった。

道頓堀は観光客が多いので商売になると思うのは、妄想であることにいい加減気づかなければいけない。

確かに、それでもがんばっている店はある。串かつという大阪らしさを売り出している店などがそれ。

くいだおれ太郎の再就職先は決まったが、地盤沈下が進む道頓堀活性化の起爆剤になるかは甚だ疑問だ。

だってそうだろう。

観光客に大人気のくいだおれ太郎という“看板息子”がいながら、「大阪名物くいだおれ」は店内に客を誘導することができず、閉店に追い込まれた。

再就職先でも観光客が写真を撮ってそれで終わりだ。

人気ランキング
by tetorayade | 2008-10-28 18:29 | 社会ネタ