最近、土曜日は関テレの「ぶったま」を注意して見るようになった。
青山繁晴のコーナーがたかじんのそこまで言って委員会に匹敵するほど面白いからだ。
以下は今日の青山コーナーを要約したもの。
アメリカ・ワシントンで開かれていたG7財務相会議が日本時間の朝7時過ぎに終わった。アメリカ発の金融不安を解消するための会議で、日本からは中川財務大臣と日銀の白川総裁が出席した。
G7会議では共同声明を発表するのが慣わしだが、今回はさすがに世界恐慌の危険が迫っている、ということで異例とも言える「行動計画」を発表した。
会議を終えて中川財務大臣は硬い表情ながら「会議をリードした」とバブル崩壊を経験した国を代表して意見を述べたようだ。
そこには麻生首相の強い意志が働いていた。
会議出席の前、麻生首相は2人を官邸に呼びつけた。
中川財務大臣はともかく、独立性が堅持されている日銀の白川総裁を呼びつけることは異例。その席で「金融安定化法案はダメだ。公的資金を投入して銀行の資本増強に使え、といえ」と指示したらしい。
首相が日銀総裁を官邸に呼びつけるだけでなく、指示まで出すことは異例中の異例。
麻生首相がアメリカの金融安定化法案がダメ、という理由はこうだ。
安定化法案の中身は銀行が不良債権として回収できないものを政府が肩代わりする、という内容だが、その不良債権は当然買い叩かれる。だから、下院で修正案が可決したにもかかわらず、市場は逆反応して株価は下がり続けた。
麻生首相の思惑通り中川財務大臣は、90年代のバブル崩壊後、公的資金注入で銀行を立ち直らせた先例を説明しながら、公的資金を銀行の資本増強に使うことを主張した。
バブル崩壊の経験者である日本が会議をリードしたために、アメリカの疲弊している銀行に政府が直接金を入れて、資本を増強することが決まったわけだ。
前進といえば前進。
このG7の行動計画の決定で3連休明けの日本の市場がどう反応するかだが、ジャーナリストの青山繁晴は「株価はまた一段と下がる」と読む。
その理由はこうだ。
「マーケットが期待しているのは(公的資金の注入を)いつまでに、どのぐらいやるのかという発表だが、今回それをしていない。たとえば『今月中』と時期だけでも発表すればよかったが、アメリカの財務省には失望した」
つまり、期限と総量が発表されていないのでは、市場も反応しないということ。
サブプライム問題に端を発し、リーマン・ブラザーズが破綻した9月15日以降、全世界で1500~2000兆円、という桁外れの金額が消えた、といわれている。
消えた資産の大半は株価の暴落によるものなので、株価は落ちれば必ず上がるもの。底値になれば買い相場になる。まずは慌てないこと。
青山繁晴にいわせれば麻生首相はよほど強運の持ち主らしい。
就任早々、ノーベル賞の連続受賞で暗い中にも明るい話題の時の首相だった。
加えて、根っからの勝負師なので今回の金融不安を日本がアメリカの金融属国から脱する最大のチャンスと捉えている。だから、白川総裁を呼びつけて指示まで出した。
衆議院の解散ばかりが注目されているが、解散権を行使できるのは麻生総理大臣だけなわけだが、“本心”を知ろうと思えば、首相の1日の動静を注目していたら見えてくる、という。
政界の隠語で「ブリキのパンツ」、通称ブリパンという言葉があるが、これは口が固いという意味。
麻生内閣の布陣でブリパンに当たるのが細田幹事長のほか、保利政調会長、園田政調会長代行。
6日からの予算委員会前の3日の夕方、保利政調会長、園田政調会長代行は官邸で35分も話し合っている。
その席で、自民党のマニフェスト案を渡したといわれているが「これはまだ早い。まだ必要ない。俺は見ない」とつき返した。
もし、受け取って修正指示が出ればいくらブリパンでも広まるが、自民党のマニフェストに関する報道が一切ない。
予算委員会では民主党の長妻議員から自民党はマニフェストづくりができていない、と案の定突っ込まれる。
「1929年の大恐慌に匹敵。ヨーロッパも巻き込んでいる。目先の景気対策、金融対策が優先されるべき」(麻生首相)
世界恐慌の話を最初に出したのは、1929年の大恐慌後に就任したルーズベルト大統領がニューディール政策でアメリカ経済を立て直したことを意識したものだと読む。
ルーズベルトは議会に働きかけて矢継ぎ早に景気回復や雇用確保の新政策を審議させ、最初の100日間でニューディール政策を制定させた。
麻生首相も今から議会を説得して100日間で景気回復の政策を決めたい、ということのようだが。そうなると解散は来年になってしまう。
その政策が国民に支持されれば解散はない?
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