日本の破綻寸前の企業を安く買い、企業再生して高く売る。アメリカのハゲタカファンドの草刈場になっていた日本だが、逆転現象?が起ころうとしている。
三菱UFJファイナンシャルグループは、サブプライム問題で業績が悪化中のモルガン・スタンレーに9000億円出資して、筆頭株主になる、という。前から欲しかった投資銀行部門。アメリカでは曲がり角にきている投資銀行部門を手に入れたことは、丁と出るか半と出るか。
さらに、野村ホールディングスは破綻したリーマン・ブラザーズのアジアのM&A部門と3000人の社員を数億ドルで買収する基本合意ができたようだ。人材と技術を確保するのが狙いのようだ。
金融危機に陥っているアメリカへ日本企業が殴りこみのようにも写るが、ハゲタカファンドとは質が違う。
むしろ、美味しい餌に釣られて、罠にかかるねずみかもしれない。アメリカの金融は一筋縄ではいかない。資金だけ注入させて、はい、それまでよ、と放り出されるかも。
アメリカ人は「日本企業の乗っ取り」と警戒するが、投資ファンドのリップルウッド・ホールディングスのようなケースを乗っ取り、という。
1998年に破綻した日本長期信用銀行を10億円で買収したリップルウッドは1200億円投入して、2004年、新生銀行として上場したときに2200億円の利益を上げている。差し引きでも1000億円の純益を得ている。
売却益に対して投資組合が海外にあったことから課税できないことが問題になった。
それ以前には長銀を救済するために7兆9000億近い血税が注入されていた。それを日本政府は10億円で売却したのだから日本国民の反感は多いが、そんなことはとっくの昔に忘れている。
ちなみに、22日新生銀行は09年3月期連結決算の業績を下方修正している。当期利益を620億円を見込んでいたが、リーマン破綻の影響で120億円に落ち込んでいる。
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