花火、LED、ワイヤーアクション、人海戦術。
北京オリンピックの開会式で感じた単語だ。
地対空ミサイルの代わりに打ち上げられる花火、花火、花火。
鳥の巣の中で演出の陰の主役はLEDだった。世界のLEDの生産は中国がNo1のことだけはある。
カウントダウンはLEDと2008人の人海戦術による人文字で幕開け。
幾重にも打ち上げる花火。暗闇の中で赤く輝くばちもLED。まず度肝を抜く。
五輪の輪もLED。平面に置かれていたものがせり上がる。不思議な光景。ワイヤーで吊り上げられているのだがそれを感じさせない。手品を見ているかのよう。
演出の総監督はチャン・イーモウ。
中国国旗の掲揚。てっぺんまで上がると旗がたなびく。その位置だけ風を吹かせている。
フィールドの中央に登場した巨大な巻き絵。これもLED。
中央の紙の上で人間が体を使って墨絵を描く。
書き終えるとワイヤーで宙に浮かび上がる。
孔子の弟子3000人が竹の管を持って登場。紙が発明されるまでは竹管に文字を書いていた。
活版印刷とコンピューターのキーボードをイメージした演出(897人)は人海戦術。桃の花を咲かせた後は、中から人が出てきて観客に手を振る。
京劇を表したシーンでも人海戦術。ここでも800人。
天女が巻き絵に舞い降りる。
航海をイメージした場面では928人が巨大なオールを持って出てくる。そのオールによって絵が描かれる。ここでは中国の発明品の一つ羅針盤を紹介するため。
12メートルの柱がニョキニョキと地中からせり出してくる。
花火が上がって暗転。
白いグランドピアノが登場。
周りを緑の服を着た1000人が取り囲む。体にLEDを付けている。動くことによってさまざま形を描き、最後は平和のシンボルハトを描く。
ハトが最後には鳥の巣になり、ワイヤーでつられた女の子が凧を揚げる。
鳥の巣から四方にLEDを消灯しながら散っていく。
こうして第一部が終了かと思えば、まだまだ続く。
太極拳のバックの映像はLEDではなく、スクリーンに投影。
子供の授業風景のひとコマ。
周りを2008人の白装束の太極拳士が巨大な円で取り囲む。
子供たちが描いた絵がまた宙吊りに。
2人の宇宙飛行士が空から降りてきた。
巻き絵の中央部の口か開き、下から地球が出てきた。周りを54人がワイヤーを付けて地球の周りを走り回る。
地球儀のてっぺんでは中国を代表する男性歌手とソプラノ歌手が登場。「ユーアンドミー」を熱唱。
グランドでは子供たちの笑顔の傘が一斉に開く。
そして、とんでもない数の花火が打ち上がる。
これで、やっと第一部の終了。
入場行進は204カ国、過去最多の参加国があったため、これが時間がかかる、かかる。
入場順は漢字の画数の少ない順。
ここで、気になったのがトラックを取り囲む、小川ローザの「OH、モーレツ」を思い出させる白いミニのワンピースに白いキャップ、白いブーツの女の子たち。北朝鮮の喜び組みのようにずっと踊り続けている。
入場するだけで2時間近くかかったが、その間、手を振りステップを刻みながら踊り続けている。蒸し暑い中、汗だくでさぞかし疲れたことだろう。
東京オリンピック当時のような整然とした行進をする国はどこにもない。ダラダラ歩く。ケータイをかけながら登場する選手も。リラックスしすぎだろう。
ブッシュ大統領はスーツ姿で自国選手に手を振る。その後ろにはワイシャツ姿の福田首相の姿。
金正日がサプライズ登場することはなかった。
クライマックスは最後まで極秘だった聖火点灯。
最終ランナーはランナーでも宙吊りとなった。鳥の巣の屋根部分の円周に取り付けられてLED部分を走るような形で1周して、導火線から点火。あまり印象深い点火とはいえなかった。
4時間に亘る開会式をライブで見ていたが、さすがに4時間は長い。
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