洞爺湖サミットの陰の議長国は中国だった
2008年 07月 13日
はてさて、何かと思えば「テロなく終わったこと」。
事前の情報ではかなり「厳しい状況だった」と明かす。勝谷誠彦も7月7日にテロが起きることを示唆していた。
今回は水中からやってくるテロリストを警戒して、北海道の湖でけでなく、羽田沖なども水中警備した警察や防衛庁のお手柄だという。
で、サミットの中身については手厳しい。
「『2050年までにCO2を50%削減目標を共有し、各国に求める』と採択して終わったわけだが、誰が誰に求めるのか。では、いつから半分にするのか基準年も決まっていない」
CO2を世界で一番多く排出するアメリカを2050年目標に合意させたことが成果だといわれているが、アメリカが独自の行動基準で行えばそれまで。
さらに、引退が決まっているブッシュ大統領にとって、福田首相はどうでもいい存在だったことも。
もともと、人の名前を覚えるのが苦手なブッシュ大統領は、ついに「フクダ」と名前で呼ぶことはなかった。
G8の会合ではチェアマン(議長)、日米首脳会談ではプライムミニスター(首相)と呼ぶばかり。それだけ眼中にない存在だという表れ。
ところが、ロシアの新大統領のメドベージェフの名前は、難しいにもかかわらずちゃんと覚えていた。
それはアメリカがポーランドとのミサイル防衛で合意したことに文句をいってきたからだ。
福田首相ははっきりものをいわないから名前も覚えてもらえない。
北朝鮮のテロ支援国家の解除にしても「解除は早すぎる」とか「解除はおかしい」と抗議していない。
何もいわないから、日本も解除は合意したものと思う。
ブッシュにすれば、いずれ終わる内閣なので覚えても無駄ぐらいにしか思っていない。
で、今回のサミットで陰の議長国は中国だった。
胡錦濤主席はサミットを利用してチベット問題を消し去る狙いがあった。そのため、事前に福田首相にはチベット問題を議題に入れないように依頼していた。それを飲んだ。
さらに、中国は環境サミットを議長国として開催しようとしている。これもサミットへ加盟する根回しの一環で、ソ連崩壊後に、核の拡散を防止する名目=ロシアを加盟させるための特別サミットを開いている。
日本はアジアで唯一サミット加盟国だったが、その地位も失うことになる。
中国の外交のうまさは、ブッシュ大統領を北京オリンピックの開会式に出席させたこと。歴代のアメリカ大統領が海外のオリンピックの開会式に出席するのは今回が初めてだという。
一番最初にボイコットを表明したフランスのサルコジ大統領も対中貿易問題で屈服。急きょ開会式に出席することになった。
その中国を上回るしたたかな国が北朝鮮である。
中国の次期国家主席と目されている習近平国家副主席が6月18日に北朝鮮を訪問して、金正日に北京オリンピックの開会式出席の打診に行っている。
事前の打ち合わせで、内諾を取っているため、わざわざ副国家主席が儀礼的に訪問しているのに、金正日は返事をうやむやにしたままだった、という。
核を保有したためにアメリカが友達になってくれた。中国の傘はいらない、とばかりに中国をやきもきさせている。
サプライズで出席すれば、開会式でブッシュと金正日が握手している歴史的映像が全世界に配信されることになる。
そのとき、福田首相も場の流れで思わず握手してしまうのか。
何ら結論の出ない洞爺湖サミットだったが、CO2削減対策として、原子力発電が見直され、推進する流れを作ったサミットだった。
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