日本赤軍をかくまっていることなどを理由に、2007年版の国際テロ活動に関する国別報告を発表したアメリカ国務省は、北朝鮮をテロ支援国家としての指定を解除しなかった。
当然といえば、当然なこと。
金正日体制が続く限り、指定は解除されないだろうが、いつまでもこの体制が続くわけでもない。華々しい活躍をしたスポーツ選手がいつかは引退するように。もう、年も年だし。
金正日の傲慢さが元々嫌いだという脱北者は、冷めた目でこういう。
「人民が社会の主人公であり、政治の中心にあり、意思決定も人民が行うのが主体思想の神髄だった。朝鮮のしきたりで目上の人の前ではタバコは吸ってはならないのに、親父の前で平気で吸う。上の人を敬うことを知らないで育っている」
今でも組織活動をしている人は、反体制意識があっても口に出せない。
そんなことから、もがき苦しんでいる人は少なくない。オウム真理教を脱退しても現実社会に復帰できない人がいるように。
1959年12月。帰国船の1号が出港する。
在日同胞60万人中、10万人が帰国した。この時の現象を資本主義から社会主義への民族の大移動と呼んだ。
親、兄弟、親戚が祖国に帰国した。
命令に背いたり、下手なことをいって批判すると、彼らが教化訓練所という名の強制収容所送りにあう。
家族が人質に取られているようなもの。
食うものはない。ネズミを食べるぐらいはましな方。時には人が人を殺してでも食べる、というから想像を絶する悲惨さがうかがえる。
「北朝鮮がダメになったのは金正日と金正日に忠実な総連トップ。総連組織は同胞のための組織だったものが、いつの間にか正日の政治に忠実な御用団体になった。ここに問題がある。総連トップから末端まで正日に忠実な組織を作ることになった。そこには犠牲者が出る」
指導体系は3つのスタイルがあった。
①思想化する
②思想を生活化する
③習性化する
当初は金日成思想を武装化することであった。それに刃向うものは抹殺する。
金日成主義の一色化を推進することだった。
金日正を評価・支援する人はこういう。
「世界最強のアメリカを手玉に取っている。だからこの政治家はすごい!」
ところが、アメリカが北朝鮮を攻撃できないのは、北朝鮮に核兵器があるからではない。死ぬ時はアメリカを道連れに一緒に死ぬ革命精神を小さい頃から教育されているためだ。
やっぱりテロ支援国家の指定は解除できない。
人気ブログランキン