まったく予定していなかった。ただ、京都方面を目指していただけだった。大山崎の信号に差し掛かったときだった。
信号待ちしている時に気持ちが山の方に向かった。
ウィンカーを左に出す。国道から旧街道へ入った。裏道を走るためだが、どういうわけかサントリーの山崎蒸留所に出てしまった。
何気なしに入ってみたら工場見学をやっているではないか。
11時からの見学コースまで15分。こりゃ、見学しない手はない。
ということで、ウィスキーができるまでの過程を見学することになった。
まずは、開始時間まで資料館を見学。
で、いよいよガイドさんに案内されて、製造工程を回る。
山崎蒸留所ではシングルモルトの「山崎」などが製造されている。
ウィスキーを普段嗜むことがないのでシングルモルトの意味すら知らなかった。モルトとは原材料に麦だけを使ったもので、それ以外のとうもろこしなどの穀物を使ったウィスキーをグレーンウィスキーという。
で、シングルモルトとは単一の蒸留所だけのモルトウィスキーをシングルモルトと呼ぶ。ウィスキーの味は蒸留所の気候、風土、水、製法によって変わってくる。
ウィスキーは大麦と水から作るわけだが、最初の工程が麦汁を作ることから始まる。その釜がこれだ。
水は地元、天王山からの湧き水を使っている。
麦汁は木桶槽に移して、酵母を加えて発酵させる。その写真は撮り忘れた。
次の工程が蒸留だ。
火を焚いて蒸留するので、部屋自体が暑い。おまけにアルコールの匂いが鼻をつく。
妙な形をしているが、これをポットスチルと呼ぶ。
2回蒸留されたものをニューポットと呼ぶ。
これは完全に無色透明で、匂いは麦焼酎とよく似ている。
これを樽に詰めて貯蔵し、時間をかけて熟成させる。
ウィスキーの琥珀色は実は、オークなどの樽材から出た色で、樽が呼吸しながら独特の色と味を醸し出していく。
写真の樽はシリアルナンバーが0001。1924年創業時の記念すべき1号樽だ。
工場見学が終わったあとはいよいよお楽しみの試飲会だ。
ここでは山崎の水割りとソーダ割を楽しめるのだが、残念ながら「ハンドルキーパー」のタグを首からかけられ運転者は飲めない。
ガイドさんがウィスキーの楽しみ方をアナウンスすれども、こっちは一人寂しく、山崎の天然水と伊右衛門を飲むしかない。
もっとも、あてもなくふらっと来たのだからしかたない。
ウィスキー製造工程を見て、味と香りを楽しむ酒であることは分かったが、やっぱり自分には麦焼酎が一番似合っている、と残念がるしかない。
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