ここに1枚の名刺がある。
裏になにやらサインが書かれている。
よろしくお願いします。
日付は95年9月11日
で、「あんた誰や?」と聞いてサインの下に名前をメモした。
エリカと聴き間違えって、それを消してノリカと書きかえている。
この貴重なサインは誰あろう藤原紀香なのである。
93年にモデルデビューした藤原紀香は関西ローカルで紳助の番組アシスタントをしていた。大震災で自らも被災。上京したのが95年だった。
このサインの主はまったく無名時代の藤原紀香だった。
このサインを書かせた場所は高級カラオケ店だった。ここへ呼び出されたのは紀香だけではなかった。メインはキョンキョン。そのお供に来たのが紀香だった。
サインさせた人は一緒にチークダンスを踊った。
「背が高くて、顔が真ん丸でな」とその時の感触を思い出すかのように当日の状況を話す。
いまや紀香とチークを踊れるなんて郷ひろみぐらいか。
その人は金持ちの専属不動産屋だった。
豪遊が祟り糖尿病を患い、エソとなる。前職はジャズピアニストだった。ピアニストの命ともいえる左手の親指と小指を失った。
「罰が当たっただけや」
すでに楽しむ事はすべてやった。人生を達観している。
人気ブログランキン