あまり興味のないネタだったのでスルーしたが、テレビのワイドショーで取り上げているのを見ていささか考え方が変わった。
群馬県の高崎経済大学の女子学生がゼミの課題を締め切りまでに提出できなかったために、即留年通告を受けたことから自殺した、という事件だ。
新聞報道ではこのゼミの担当准教授に対して大学側は「理不尽で教育的配慮を欠いた留年通告をした」などとして同日付で懲戒免職処分にした、とされている。
自殺に追いやったこの准教授がすべて悪い、という論調で、世間もそう思ってしまったはず。
ところが取材していくとこの准教授ばかりを責めるのもおかしいことに気づく。
女子学生はゼミに2006年9月から参加するはずだったが、自主的に早めて6月ごろから参加したように、このゼミに入ることを熱望していた。好きでこのゼミに入っている。
准教授もセクハラなどの悪い評判がある一方で、難しい授業を面白く教えると好意的評価もある。
で、女子学生は友達によると「完ぺき主義者」だったらしい。
大好きで入ったゼミの准教授から締め切りを守れず、即留年を通告されたことで、非常に落ち込む。それを完ぺき主義と結びつけるのは乱暴だが、そんなことですぐに自殺を決行したのかと思えてくる。
むしろ、こんなことぐらいで自殺する女子学生の方がおかしい。そのことの異常性に気づかなければならない。
彼女は自殺直前に友人とメールを交わしている。
友達が犬の写真を添付して送ったところ、「かわいい犬」と普通に反応した後で課題を締め切りまでに提出できなかったため「留年することが分かっています。人生もやめます」と返信している。
メールを受けた側も深刻さがないので冗談だと思ってしまう。
准教授は「何でも締め切りがある。それを守るように指導することのどこが間違っている」と反論しているようだが、その通りだと思う。
締め切りを守れず、留年を通告されたぐらいで自殺を選ぶほうが変だ。そこは交渉すれば歩みよりはあるはずだが、そこまで知恵が回らず死を選択した。
完ぺき主義者が初めて受けた敗北?に自殺を選択する心理が分からない。精神的に病んでいたのかと思ってしまう。
大学側は「大学院生並みの厳しい課題。ある課題がこなせなかったというだけで即留年というのもおかしい」とコメントしている。
赤坂に竣工した衆議院宿舎に家賃が相場より安いことにマスコミが騒ぎ、票を気にして入居しない議員が多いのと一緒で、世論に迎合する形でこの准教授を懲戒免職処分にしたとしか思えない。
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