カラープリンターのインクは結構高い。デジカメで撮影した写真をプリントアウトしようものなら、すぐにインクがなくなる。
そこで登場するのが格安のサードパーティのインク。
ところが、メーカーは純正インク以外のものを使用してプリンターが壊れても一切保証しないと警告している。
それは安物買いをしたあなたの自己責任だということ。実際、サードパーティーのインクを使って1台目のプリンターを壊した苦い経験がある。
今回のシンドラーエレベーター事件はメーカーのスタンスとしてこれに近いものを感じさせる。
シンドラーは「14カ月以上保守をしていない」と前置きしてエレベーターの事故の主な原因は「不適切な管理か利用者の危険な乗り方」と指摘している。
本来はメーカー直のメンテナンスを受けないと、万一、事故が起こってもメーカー保証はできない、という考えだ。
何度も指摘しているが、競争入札で安さだけでメンテ会社を選んだ港区と杜撰なメンテをしていたSECに責任の大半があるということだ。
エレベーターは機械的なメンテもさることながら、コンピュータ制御部門のメンテともなると、メーカーでない独立系のメンテ会社にはお手上げの状態だろう。
仮に独立系メンテ会社がコンピュータ関連部品を純正品から安い汎用品に変えた場合、どんな不測の事態が起こるかは、メーカーは責任は追えない。
今回の事故原因はブレーキに油が付着していたことも一因とされているが、その辺をメンテ会社は見落としていたことになる。
シンドラーにすれば、安い値段で納入したのに、メンテを取られたら儲けるところがなくなるわけだから、競争入札で落としたメリットがない。
あえて強気な発言を続けるのは、格安メンテ会社の杜撰さを白日の下に晒す意味合いが多分にあると思う。
シンドラー社は取材拒否の姿勢を貫いているので、心証が極めて悪い。
そのため、マスコミはシンドラーの過去の事故件数ばかりを取り上げ、いらぬ不安を駆り立てている。その事故率が他メーカーと比較して多いのか、少ないのか、普通なのか、まるで検証もしない。
このことは以前のエントリーから指摘しているが、国交省もその辺を調査するように指示している。
適正なメンテナンスを行うには適正なコストがかかる。
それなのに格安で請け負うには何かを手抜きしているわけだが、それが安全性の手抜きだった、ということだ。
追記
原因はブレーキパッドの磨耗も特定され始めてきている。つまり、これはメンテの範疇だろう。消耗品を交換していなかったことになる。それを見落としていたのならやはりメンテ会社の責任になる。
格安メンテナンス会社の実態にもメスを入れるべきだ。
追記2
シンドラー事件後、たまに乗っていたエレベーターがシンドラー製だったことに気づいた。3階まで行くのに使うのだが、とにかく動きが異常なぐらい遅いのが気になっていた。上るのも遅いが、階に到着してドアが開くのがこれまた遅い。気持ち悪いので帰りはいつも階段で降りていた。
で、気をつけてどこ製のエレベーターか確認したら、シンドラーのシールは張られていた、。正確にはシンドラーに吸収合併された日本エレベーター工業のもので、こういうのもシンドラー製としてカウントされているのだろうか?
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