晩飯を食った帰りに道端で職質を受けた人の話。
職質を受けるのはこれまでにも何度かあった。
ということは警察から見たら特有の怪しさを醸し出しているのだろう。
背中には大きなリュックを背負っていた。
警察からリュックの中身を見せて欲しい、と言われ、「インフルが流行っているので、アルコール消毒をしてからにしてもらえないか。消毒したらいくらでも見せてやる」とやや反抗的態度を取った。
「そんなものは持っていない」と警察官。
「それなら俺のを使えと携帯型のスプレーを手渡した」
「本当にアルコール消毒か?」と疑いのまなざし。
「ニオイをかいでみろ」
そんなやり取りの後で、やっとリュックの中身を調べ始めた。
その時だった。
リュックの底から白い粉が入った袋が出てきた。
警察官にすれば「ビンゴ!」と心の中で小躍りしたことだろう。
「これは何ですか?」
「咳止めです」
「何という咳止めですか?」
「コデイン」
そんなやり取りの最中に応援のパトカーを呼んだ。
しばらくして、現場にパトカーが到着すると、車内に乗せられた。
警察とすれば、確実に覚せい剤と踏んでいる。
「覚せい剤ならブルーに変色します」
警察24時でよく見かけるシーンがまさに再現された。
もちろん、咳止めなのでブルーに変色することはなく、無罪放免となった。
反抗的態度で白い粉が出た時はガッツポーズだったはずの警察官のうなだれた姿が目に浮かぶ。