静まり返った病院の待合室の出来事だった。

静寂を打ち破るように、おばあちゃんが叫び始めた。
「お父さん! 裸でウロウロしないで」
声の主の方に目をやると完全にうたた寝状態。つまり、これはおばあちゃんの寝言なのだ。
さらに続く。
「シャケ、シャケ」
「タラコの方がよかった?」
なんかおにぎりの具で揉めているのか?
トドメはこれだ。
「お父さんたら、いつも早いんだから。まだ逝っていないのに」
これは夜の秘め事の場面を外野は思わず想像してしまった。
さすがにこれ以上、寝言が続くと大変になると思ったのか、横に座っていたおばちゃんが揺り起こした。
病院の待合室で寝言を叫んで赤裸々な夜の夫婦生活まで暴露してしまったおばあちゃんでした。