会社を設立してわずか数年、社員12人のバイ・デザインが42型ハイビジョンプラズマを24万円で発売しようとしている。
部品をアセンブルすれば、素人でもパソコンが自作できるように、大型テレビだってこんな小さな会社が製造・販売できる時代になったのだ。
組み立ては中国。広告宣伝費0。ネットによるダイレクト販売なので、こんなに思い切った価格設定ができる。大手メーカーには絶対に真似のできない価格戦略である。
通信機器のユニデンだって負けじとテレビ事業に参入。32型液晶テレビが13万9800円。コストが上る余計な機能を省き、こちらもダイレクト販売で究極のコストカットを図った結果の価格である。
デジタル家電のテレビ事業にこうして中小が新規参入するなか、ソニーのストリンガー会長は、「ソニーの強さは回復力と集中力があること」とした上で「感動を与える商品作りがソニーの特徴。エレクトロニクス部門の復活なくしてソニーの復活はない」と発破をかけた。
ソニーは今期100億の赤字が見込まれている。不振の原因はテレビ。つまりテレビの復活なくしてソニーの復活はない、というのだが。
世界で1万人規模の人員削減、2000億のコスト削減にはクオリアやアイボなどの事業の縮小なども対象になっている。
しかし、前述した新規参入メーカーによる価格の下落は、ソニーのような大企業をコスト面から多いに苦しめる。
主戦場のテレビでこんな安い商品が出てきて品質に遜色がなければ、安いほうを選ぶ。ソニーの付加価値がデザインだけ、ということはないだろうが、軸足をテレビに置いたところで苦しい状況は変わらない。
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