コロナ禍前のことだった。
日本最長の高速バスで東京から博多まで移動することにした人の話。
2カ月前の予約で片道8000円。新幹線の半額で行けるということで友達と乗車した。
走行距離は1100Km、所要時間16時間。実に乗り応えがある高速バスだ。
半分ぐらいのところで、急にしんどくなった。
長時間座っているので腰が痛くなるがそれではない。
居てもたっても居られず、とうとう途中のサービスエリアで下車したほど。
友達はそのまま博多へと向かった。
この時、閉所恐怖症が発症していた。
狭くて閉鎖的な空間に長時間いると強い恐怖心や不安を感じる精神障害の一種だった。
発症から5年以上が経過。通院もしているが、症状は改善されていない。
街中で急に便意をもよおし、駆け込んだのパチンコホールだった。
自宅で用を足すときはドアは全開だが、外ではそうはいかない。
用を足しながら閉所恐怖症が発症した。
息が詰まるような感覚で息苦しくなり、呼吸困難になった。苦しんでいる様子が外に伝わったようで、客が従業員を呼びに行った。
結局、救急車で運ばれることになった。
仕事もできなくなり、今は早期年金暮らし。×イチ。一人息子は独立して一人暮らし。親から受け継いだ家があるので家賃はかからないものの、カツカツの生活を送っている。
そんなおっさんの息抜きは昼間のカラオケ喫茶。ここで知り合った女性に恋してしまった。
年齢は自分より20歳ほど上の80代だが、品が良くて60代後半ぐらいにしか見えない。
告白すべきかどうか迷う中坊でもある。