また一人が熟年離婚に追い込まれた。
奥さんが唐突に、「今度の休みの日に温泉に行きたいね」と提案してきた。それは結婚前にデートで行った伊豆の熱川温泉だった。
断る理由もなく、2人で懐かしい温泉地へ向かった。
温泉に入って夕食時間になった。
ここで奥さんが「何もかも嫌になった。あなた嫌い。私と別れて。家は私に頂戴」と離婚を切り出されたのであった。
夫婦に子供はいなかった。
原因は旦那のタネなしだった。
旦那の仕事はレストランの支配人だった。
奥さんは専業主婦だった。
コロナ禍で店が休業になった時、在宅ワークがつづいた。
この時、毎日家にいる旦那の姿を見るのが嫌で嫌でたまらなくなった。
「もう決めているから」と奥さんの気持ちは固まっていた。
家が欲しいという理由は庭で家庭菜園をしているから。
こんな我儘な理由を受け入れられるわけもないが、女が一度決めたら梃子でも動かないから熟年離婚が増えている。