遺言を書く年齢になったホールオーナーは、3人の子供のためにも遺産相続で喧嘩しないように遺言状を書いた。
3人の息子はいずれもホールを継いでいるのだが、長男(50代)に半分、次男三男は25%ずつという配分にしていた。
奥さんには先立たれていたのだが、奥さんの親せきから驚くべき電話が入った。
大切な情報を提供する代わりにカネを要求してきた。
長男はオーナーの子供ではなく、浮気相手の子供だというのだ。
言われてみれば、長男だけ顔立ちが違っていた。
半信半疑だったが、3人の子供をDNA鑑定にかけた。
もし、長男が実子でなければ、1000万円を支払うことを約束した。
鑑定の結果、長男だけが実子でないことが判明した。
生前、奥さんは巧妙なウソを考えていた。
もしも、実子でないことがバレたら、病院で取り違えたのだろう、という作戦も考えていた。
幸い、50年ほど前ではDNA鑑定も一般的ではなかった。
可愛がって育ててきた長男が実子でないことに腹が立ってきたが、本人に責任はない。
弁護士に相談した。
もし、長男の本当の父親が現れた場合、生物学的に相続権が発生する、という。本当の父親が名乗り出てきたらややこしいことにもなりかねない。
今回の件で相続は全員33%に書き直し、情報提供者には1000万円支払った、とさ。