4年前、競馬で1200万円勝ったホール従業員(32)は、会社を辞めて大好きなタイへ飛んだ。
最初からおカネがなくなるまでタイで生活する腹積もりだった。
1200万円は4年で使い果たすことになり、帰国を考え、元の職場にもう一度働かせてもらえないか、と上司だった店長に電話を入れた。
行く時は1人だったが、帰国する時には3人になった。
そう現地のタイ人と結婚して2歳の娘がいる。
借り上げ社宅があるので、家賃も安く済むのが元の職場を選んだ理由だ。
4年間は遊んで暮らした。
奥さんは19歳だが売春婦だった。
タイは1回500円と格安なので、毎日のように女を買っていたが、その中で彼女のことを好きになり、売春も止めさせて結婚した。
しかし、結婚と言っても籍が入っているわけではない。
女性の方には親族もなく、売春宿に売り飛ばされたような感じだ。
男の方も親はいない。子供の頃から児童施設で育ち、中学を卒業すると働きに出た。同じ境遇の2人が惹かれ合った。
そんな境遇だから男にとって、店長は身内のようなものだった。
この話をオーナーにすると、結婚式を挙げてやれということになった。
温情のあるオーナーだが、店長は今置かれているパチンコ業界の状況をこう伝えた。
「4年前よりも業界全体が業績が落ちている。ウチも後20年営業が続けられているかは分からない。ずっとホールで働くことはできないので、他の業種も考えた方がいい」
日本へ帰りたいと思ったのは子供を日本で育てたかったからだが、後継ぎ?の男の子も欲しいと思っている。
4年間物価の安いタイで遊んで暮らして、家庭を持って日本でちゃんと生活できるのか、リハビリにも時間がかかりそうだ。