参議院での郵政民営化法案の決戦を目前に控え、現職議員が自殺する、という悲報が永田町を駆け抜けた。
亀井派に属しながら、郵政民営化法案で土壇場の賛成票を投じた永岡洋治議員が、今朝自宅でクビを吊って死んでいるところを家人に発見された。
どん亀が派閥の領袖で、よくも裏切り行為に出られたものだ。大胆といえば大胆。日和見と言えば、日和見。
これが2年生議員が自殺した、という第一報に接した時の感想だ。
家に帰ってからテレビでニュースをじっくり観ていると色々な意見が出てくる。
永岡議員の遺体が自宅に帰ってきたのを迎えたどん亀は「執行部の行き過ぎた圧力はいけませんね。起きてはならんことが起こった」と唇をかみ締める。どん亀の目には薄っすら涙さえ浮かんでいる。
つまり、自殺の原因を執行部と示唆する発言だ。賛成票を投じたのは次の選挙を睨んでのことのようだ。というのも、選挙区はゼネコンの贈賄事件で逮捕され、実刑判決を受けた中村喜四郎氏の茨城7区。3度目の挑戦で03年にやっと初当選した。
その中村氏が刑期を終え、次の選挙には出馬を表明しているともいわれ、執行部からは反対票へ入れたら、選挙の票は全部中村氏へ回すと、と圧力をかけられていた、というのだ。それで賛成票に回った。
一方の小泉首相は「びっくりしている。残念」と感想を述べ、執行部のプレッシャーで信念が捻じ曲げられた?という記者の質問に対しては
「まったくわかりません」といつもの木で鼻をくくる答弁。
永岡議員は当初から郵政民営化の反対を表明していた。
にもかかわらず、賛成票を入れたため、地元の特定郵便局の局長からは「顧問の職は辞退していただきたい」と一通の手紙が届いている。
どん亀は自分が領袖として人事権を握っていることを公言し、どん亀の思うように働けば、どんどん出世させ重要なポストに与えることを約束している。
新米議員としては自民党執行部のいうことを聞くのか、初心を貫くべきかで多いに迷っていたわけだが、ここは亀井派からいびられて自殺した、とみる。
選挙に苦労してきただけに、解散総選挙になっても執行部からの応援が得られる道を選んだわけだから。
東大卒の真面目なエリート官僚には、魑魅魍魎とする政治の世界は向いていなかった、ということだろう。
参議院での採決の影響を聞かれ、
「それはないと思いますけどね。小泉下ろしには屈しない」と強がってみせた小泉首相。
これで参議院での郵政民営化法案の採決が俄然面白くなってきた。
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