人間はエゴの塊だ。エゴがエゴを批判すれば、批判が来るのを承知であえて書く。
伊丹空港の存続を巡り、周辺の11市で作る大阪国際空港騒音対策協議会が名称から「騒音」を外す検討に入っている、という。
騒音対策のために結成されて41年。当初は「空港撤去」を掲げてまで反対していた。騒音に対する迷惑料を国からぶん取るための協議会が大きく路線変更を余儀なくされようとしている。
原因は国策で作られた関空にある。
開港当初は国際線は関空、国内線は伊丹と線引きされたものの、発着料の高さと不便な立地から利用者は右肩下がりで下がり続け大赤字。にもかかわらず、ゼネコンを儲けさせるために不要な2期工事をしたものだから、国としては無理をしてでも関空需要を作り上げなければならなかった。
そこで国が出した秘策が、騒音対策問題だった。
これまでは、騒音反対でまとまっていた協議会に対して、国は伊丹便を減らすことで騒音問題を解消できる、と共に騒音対策費も削る、と強気に出てきた。
協議会としては非常に痛いところを付かれた。
伊丹空港が活性化することで周辺市町村が経済的にも恩恵を受けていることから、このまま伊丹便が減便されてしまえば、騒音問題以上に経済的な打撃を受ける。そんなことで41年間掲げた看板を外すようになった。
ただ、協議会内にも直接騒音を受ける市とそうでない市では温度差があり、意見がまとまっているわけではないようだ。
これこそがエゴの綱引きだ。
ついでに自分のエゴでいわせてもらうと、伊丹便の減便には大反対だ。モノレール1本で空港まで行ける地域に住んでいるものとしては、こんな便利な空港はない。
地域的にも滋賀、京都、大阪の中心部以北、兵庫は伊丹空港のほうが断然便利で、関空を喜ぶのは利用者数では断然すくない和歌山ぐらいのものだ。
関空を優遇すればするほど、大半の関西人はいらつく事になるのだが。
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