ホールの清掃スタッフを28年間勤めた70代のおばあちゃんが、このほど仕事に終止符を打つことになった。
理由は体力の限界ではない。
実家の熊本が地震で被災し、蔵を整理している時に、竹久夢二の肉筆の掛け軸が出てきたことがきっかけだった。
まず、真贋を見極めるために、10万円の鑑定料を支払い見てもらったところ、本物で未発表作品というおまけまで付いた。
で、未発表、肉筆画に付いた相場値段は2000万円。
夢二を専門に扱う古美術商へ持って行くと半値ぐらいに買いたたかれるので、ここはサザビーズのオークションに出すことを勧められた。
台湾では夢二人気が高く4000~5000万円の値が付くのではないかと言われている。
今までの蓄えと夢二を売ることで、仕事を辞めることにした。
アドバイスを受けたことが一つ。
美術館は「皆さんに見ていただきましょう」と言って遠回しに寄贈を勧めてくる。