黒人好きの全国大手勤務のホールスタッフがいる。
スマホの待ち受け画面にはセリーナ・ウィリアムを使うほどだった。
でも、黒人好きということは誰にも言うことはなかったが、ある日の飲み会の席で、上司にセリーナの写真を見られ、酔った勢いも手伝って、黒人好きであることをカミングアウトした。
それは、大坂なおみ選手が全米オープンで優勝したことが、彼を勇気づけた。
今は大坂なおみ選手の写真を待ち受けにしている。
上司は黒人のどこがいいのかと聞くと、「子供の頃からで黒人にしか目が行かなかった」。マイケルジャクソンがどんどん白くなったことに失望したほど。
無類の黒人好きの彼に千載一遇のチャンスが訪れる。
客として来店した黒人女性といつしか付き合う関係にまで発展した。真剣に結婚を考えている。
上司に会社で禁止されている客と付き合っていることを理由に「退職」を申し出た。
実家の両親のも結婚のことを伝えるために、黒人の彼女の写真を見せたところ、母親は気を失うぐらいのショックを受けた。
大坂なおみ選手の母親も根室で黒人と知り合い、結婚することを猛反対され大阪に移住した。孫ができてからは和解している。
一方の父親は息子にそっと知らせた。
「お前は俺の遺伝子を受け継いでいる。俺も黒人好きで若いときにはバングラディシュやインドによく行っていた」
そう、黒人好きは父親の血を引いていたのであった。