風俗ライターは興味のあることには果敢に取材をかける。
群馬県のとある町の電柱にこんな張り紙があった。
「ドライブスルー風俗 30分3000円」
まず、聞き慣れないドライブスルー風俗という名称とその破格な値段だった。
張り紙に書かれていたケータイに電話を入れる。
「今、どちらにいますか?」
電話口に出てきたのは女性だった。
今いる場所を伝えると、住所を指定され、着いたらもう1回電話した。
「5分でお伺いします」
現れたのは30代後半。容姿は小奇麗だった。
風俗ライターであることを名乗り、取材することの確認を取った。
すんなりOKが出る。90分拘束で9000円を払うことにした。
ドライブスルー風俗を始めたのは1年前。メンバーは彼女のほか、40代、50代がそれぞれ1人ずつ。
システムは車を降りないで、車の中でサービスする。狭い車の中が嫌であれば、ホテルへ行くこともOKだった。
取材なので彼女の身の上話も聞くことになったが、90分では足らなくなった。
「うちに泊まらない?」と彼女の方から誘ってきた。
好みの客なら誘うことはたまにあるようだが、自宅アパートに連れて行くことに不安はないのだろうか、と逆に心配になった。
現在、×1独身。子供はいない。ダメ夫が借金をこしらえたので離婚した。
近所のスーパーで時給850円で働いている。必死に働いても手取りは13万円にしかならない。
ドライブスルー風俗メンバーは同じスーパーで働く職場仲間だった。40代、50代は「3000円でもいらない」とキャンセルを食らうこともシバシバで、この頃は開店休業状態だった。
若い頃は東京で風俗嬢として働いていたので、この商売にも抵抗はなかった。
「月4~5万円でも稼げればいいと思って始めました。始めたころはそれぐらい稼げていたんですが…」
風俗ライターは車の中でもきっちりやったが、泊まった夜も一発、朝方も一発。何歳か知らないがなかなかタフだ。
朝ごはんまでごちそうになり、出かけに小遣いをせびられた。
1万円ぐらい渡そうとしたら、彼女の要求額は5000円だった。