新幹線の焼身自殺事件。この列車の2両目に乗り合わせていた人の声が届いた。
その人は東京から名古屋へ向かう途中だった。
1号車から2号車へ人がなだれ込んできた。
「逃げろ!」
「爆発するぞ!」
「テロかも知れない!」
何が起こったのか全く分からない状態で、付けたばかりのパソコンもそのままに、後方車両へ逃げ込んだ。
イスラム国の自爆テロがついに新幹線の中で起こった、と思った。
新幹線の通路は狭い。
逃げ惑う人でパニックになった。
少し落ち着いたころ、1号車から逃げてきた人たちと話す時間があった。
口々に車内が「オレンジ色になった」と一気に燃え上がったことが伺われる。
名古屋の仕事はキャンセルして、小田原から東京へ戻った。
「新幹線を標的にするテロリストに大いなるヒントを与えてしまった大ばか者だ」と憤る。
飛行機のように手荷物検査をするわけにはいかない新幹線。
世紀の大ばか者の身元はまだ分からない・