ジェットコースター人生のM君を改め、短距離ランナーのM君の人生は、これから市会議員を目指すべきであることを確信した。
半世紀を迎える年齢で、結婚はしているが、パートタイマー暮らしをしている。
ことし、自治会長になった。
自治会長の職に意欲満々。
それで、昼間のパートタイマーでは、じっくり自治会長の仕事ができない、とばかりに、6月にその仕事を辞め、夕方5時から8時までのパートタイマーへ転職した、というのだから驚かされる。
1日3時間労働。時給は850円だから、給料は知れている。
今は大型ごみの分別に意欲を燃やしている。
ことしの4月から大型ごみが1メートル以上の大型ごみと1メートル以下の大型ごみの2つに収集日がわけられた。
住民には周知徹底されていない。各自治会がどんな掲示板を作っているか、町内会を回った。
そこで、収集日には1メートルの物差しを置いて、1メートル以上か、以下かをその場で測って出せるようにした。
市内一斉清掃の日に、困りごとがあったら、連絡して欲しい、と自分のケータイ番号を通知した。
すると、住民からカーブミラーを設置して欲しいという声が挙がれば、市役所へ自ら出向いて交渉する。
公園の犬のふんの処理で苦情が出ると、その対策方法を教授してもらうために、また市役所に足を運んだ。
公園の草むしりも自主的に率先して行っている。
まだ、自治会長になって3カ月だが、自ら問題解決のために奔走する自治会長も珍しい。
町内からは「市会議員になりや。応援するで」という複数の声が挙がり始めている。
ボランティア活動も熱心で、今は小学校で手話教室の講師も務めている。
ジェットコースター人生に終止符を打つ時が来た。
M君の天職は、住民のために働く市会議員だ。
元々地声が大きいことも議員向きだ。
ただ、ジェットコースター人生から短距離ランナー人生に改名したのには、訳がある。
M君は興味を持つと何事も突き進むタイプなのだが、何事も興味が持続しないのが欠点だ。
Facebookもやりはじめたら止まらなかったが、あっさり止めた。
自転車にはまると一気に2台のロードバイクを買ったが、これも1年足らずで全部売却。
熱しやすく冷めやすい。
持続性が出れば、余生は市会議員が一番向いている。