自由軒の名物カレーである。
35年ぶりだろうか。2度目の名物カレーだ。
昔食べた時は、そんなに美味しいとも思わなかったが、改めて食べると、母親のカレーの味を思い出した。
創業104年になる自由軒のカレーは、明治時代の味を連綿と伝え続けているのだが、昔母親が作るカレーはSBのカレー粉を使っていたので、その味に近い感じがする。
小田作之助がこよなく愛した自由軒の名物カレーの味は、現在でも変わらない、ということである。
スパイスの辛さが後を引く昔ながらの味。それが自由軒の名物カレーだ。
最近は香港や台湾のメディアでも紹介され、外国人客が半数ぐらいは訪れている、という。
2代目若女将が店を取り仕切っているが、店内のポップや商品写真もすべて若女将作。
若女将といってもすでに4代目になっているので、歳はかなりいっている。
食べ残した客がいると必ず理由を聞く。
きょうはちょっと辛すぎたかな、と心配になるためだ。
NHKで昨年放送された夫婦善哉では、主演の真千子と森山未來が自由軒でカラーを食べるシーンを撮影に来たそうだ。
尾野は撮影の前日にも店を訪れ、食べ方の指導を若女将に申し出たそうだ。
外国人観光客に支えられる自由軒の名物カレー。そのうち、中国にパクリが出てくるかも。