総連離れが進んでいるとはいえ、東京の総連本部は最後の団結の砦である。ここを失うということは、総連が崩壊することを意味する。
しかし、総連離れした人たちにとっては、総連本部を失って、総連が壊滅することを望んでいる。
「23回の総連の大会には指導体系を守るための賛美ばかり並べて、恥ずかしいばかりだ。いっそ、一欠けらも残らなくなるぐらい全滅した方がいい。そして、日本にいる同胞のための新しい組織を作る。その場合も北には一切追従しない」と手厳しい。
北朝鮮のため、総連組織のために身を粉にして働きながら、尽くして、尽くして…
日本に入港できない万景峰号のことがテレビでも話題になっている。
この船はまさに北朝鮮の工作船であり、総連への指令本部でもある。船内では極秘の会議が行われたり、日本から北朝鮮へ送るカネや核開発の部品が運搬された。
万景峰号は資金や物資の運び役で、北朝鮮の経済を支える拠り所であったのに対し、総連本部は北朝鮮に忠誠心を誓わせるための精神的な拠り所だ。
北朝鮮としては、同胞をマインドコントロールするためには、経済的な問題よりも、精神的支柱である総連本部を失うことが、万景峰号よりもはるかに重大だ。
安倍総理は今回の拉致被害者の再調査には、政治生命も賭けている。
総連本部が売却を免れる代わりに、拉致被害者を返すことが包括的な合意に至るはずだ。最後の切り札である総連本部のカードは日本が持っているのだから、必ず、特定失踪者か拉致被害者は返してくるはずだ。