テレビ局にとって生保業界は大事な大事なクライアントだ。景気が良かろうが悪かろうがいつの時代にも安定して広告を出してくれる。
その大切なお客様の逆鱗に触れたのがTBSの「マツコの日本ボカシ話」だ。MCはマツコ・デラックスで1回放送しただけで、番組打ち切りの憂き目にあった。
この番組は出演者にボカシを入れて本音トークを引き出すという趣旨で、1回目は生保レディーが業界の内情を暴露した。その中で契約を取るために「枕営業もやっていた」と激白したことが大問題になった。
TBSは「全編ボカシという表現・演出方法が局の内規に抵触するおそれがあるため」と番組打ち切りを説明しているが、それは表向きの理由で、大スポンサーである生保業界の逆鱗に触れたと想像するのは難くない。
恐らく鶴の一声だったんだろう。
それほど、テレビ局はスポンサーの意向に逆らうことはできない、ということだ。
覚せい剤事件から昨年12月に芸能界復帰したノリピーこと酒井法子は、主演の舞台からスタートした。パチンコ店営業では絶大な人気で、今は引っ張りだこの状態だが、テレビドラマへ復帰することは難しい。
ノリピーを使うためにはスポンサーにも根回ししなければならない。そこまでスポンサーに気を遣いながら使いたいほどの女優でもなく、生きのいい若手女優がどんどん出てきている。
抵抗感のある女優をわざわざ使ってくれるところはない。これは坂東英二にも通じるところだ。
マツコの番組中止はスポンサーの力を感じさせられた典型的な事例といえよう。