関西人は阪急には深い思い入れがある。特に神戸線では山の手を走る阪急と尼崎競艇がある阪神では、乗客の質そのものが違う。
神戸線をはじめ阪急沿線に住むことは憧れで、京都線や宝塚線共々人気が高い。
阪急阪神ホテルズの出崎弘社長がホテルの食材表示を偽装していた問題で、ついに社長を辞任することになった。
ホテルの社長というから、ベルボーイを経験しながら接客のイロハを学んだ叩き上げが就任しているのかと思っていた。
記者会見で鉄面皮のような表情に、これが関西で一流ホテルの社長の顔か、と疑いたくなっていたが、出身を見て合点が行った。阪急電鉄から出向でホテルの社長になっていた。
出崎社長は人相で相当阪急ホテルのイメージをことさら悪くしてしまった。
ハイヒールのリンゴは「謝り顔ではない」と切り捨てていたように、謝罪する会見では相応しくない面相だ。
一般市民の感覚からすれば偽装表示を反感顔の出崎社長が「誤表示」と強弁するから、余計世間の反発は増した。
「誤表示」という統一見解は、顧問弁護士軍団らと相談して、不正競争防止法に引っかからないようにした結論なのだろうが、あまりにも見苦しい言い逃れだった。
阪急ホテルが何よりも恐れるのは、これで大口の企業の宴会や結婚式の披露宴が他のホテルに流れることだ。
一流ホテルの高い料金を支払ってまで利用するのは、一流の建物で、一流のサービスと一流の料理を堪能するためである。
これから年末年始の繁忙期を迎える。一流の信頼を裏切った代償の影響が出てくるのはこれからだ。