親子の確執が社内では日常的に表面化している。
親父は会長、息子は副社長兼営業本部長という肩書きだった。
息子は数々立ち上げたプロジェクトのリーダーだった。そのプロジェクトが思い通りの結果を出せていない。
次々と打ち出すプロジェクトもカネを生むようには思えない。
ついに親父が痺れを切らした。
営業本部長の職を解いてしまったのだ。
その一方で、役員はすべて同属となってしまった。会社が一番困っているときに立て直しの先頭に立って論功行賞人事で専務や常務に上り詰めた人までが解任され、取締役になった人も含め、他人はすべて執行役員になっている。
人を大切にする会社、と定評があったのに。
身内の亀裂からダムが決壊することにならなければいいのだが。