世紀の大誤報を飛ばした読売新聞記者は功を焦ったんだろうが、インチキ研究者を1日でも早く白日の下にさらした意味では“殊勲賞”ではないだろうか。
この記者は看護士資格しか持っていない森口尚史を医者と信じて疑うこともなく、本人がいうことを裏取りもしないで、そのまま書き飛ばしたんだろうが、それをチェックできなかった読売の体制に問題がある。
世界初のiPS細胞の生体移植をハーバード大学の客員講師として、マサチューセッツ総合病院で今年2月から6名の患者に実施した、という。
そもそも新聞記者は文系出身が多い。記事を書いた記者も森口尚史から提出された理系の論文や移植動画を見せられれば、偽の肩書きと相まって、それを信じ込んでしまう人種だったのだろう。
山中教授はサルの実験まで成功している段階で、アメリカでは早くもヒトに移植手術をしているのか、と世間を驚かせたが、ハーバードとマサチューセッツの両方がそんな事実はない、とキッパリと否定。
わずか1日でウソがばれてしまった。
経歴は東京医科歯科大学を卒業はしているが、医師の資格は持っていなかったし、同大学でiPS細胞の研究を行った実績もない。
ウソがばれる前日の会見では、自分の功績を饒舌に語っていたが、怪しまれた会見では一転して歯切れの悪い醜態を見せ付けてくれた。
問題は森口尚史がなぜ、すぐにバレル嘘をついたかだ。
ファンドからiPS細胞の研究費を調達しているようなことをいっていたが、そのファンドの実態があるかどうかも分からない。
本当にファンドから調達しているのなら、騙したファンドに対するウソだったのかも知れない。
詐欺師は「客員」という肩書きが好きな傾向がある。
客員はその組織、団体には所属していないが、ハーバード大学の客員講師、というだけで「偉い人」という誤解を与える。
読売以外は森口尚史の言動が怪しいので、記事にはしなかったが、スクープを焦った読売だけが一面トップででかでかと報じた。
読売は責任を取って検証記事を掲載するようだが、山中教授は「若いうちは失敗や挫折を一杯経験したほうがいい」というが大新聞は若者ではない。
個人的には20年ほど前のカンザス州立大学客員教授の悪夢が蘇ってくる。
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