タクシーの中は個室空間ということもあるのか、ドライバーという第三者が聞き耳を立てているにも関わらず、気を許してしまい、ついつい秘密の話を平気でしてしまう。
特に終電が出た後の深夜のタクシーの中は、秘密の話がてんこ盛りとなる。
ちょっと文才があるドライバーなら、乗客の会話や痴態などを描写した本を出したりする。
秘密の話を聞いてしまったら、それを喋りたくなるのが人間の性である。
文才がない場合はどうするか?
最近はICレコーダーという非常に便利なものがある。
これは、と思った会話のときにスイッチを入れる。
録音した会話をどうするか、といえば、それを買ってくれる人に売るわけだ。
誰が他人の会話を買うのか?と訝るが、売り先は週刊誌の記者。
放送局専属のタクシーなら芸能人や放送局にまつわる裏話、霞ヶ関なら、官僚や政治家の極秘話が漏れ聞こえてくる。
タクシードライバーにはこんなアルバイトがある一方で、まじめに働きながら売り上げを伸ばすドライバーもいる。
都内のあるタクシー会社。
一人当たりの平均水揚げが3万7000円だとすると、7万円も売り上げるドライバーがいる。
トップセールスドライバーは女性だった。
美貌の持ち主ということもあるが、お客には電話番号を渡して次の指名が入るように営業するわけだが、それだけではなかった。
深夜の長距離客が多いので、指名の電話が入ると、そっと差し出すのが、オシボリと冷えた缶ビールにおつまみ。
こんなサービスをしてもらって美人ドライバーと会話ができるとなると、指名したくなる、というのは人情だろう。
もちろん、缶ビールサービスなどは会社では禁じられているが、自腹でサービスしても、長距離の指名が入れば十分に元が取れる。
人と同じことをやっては倍近い売り上げを上げることはできないことを缶ビール作戦から学ぶことができる。
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