脱力感はあるが不思議と怒りはこみ上げることがなかった。
名神高速に乗って30分ほど。滋賀県内に入ってそろそろ新名神の分岐点に差し掛かる頃にケータイが鳴った。
これから取材に行く会社の担当者からである。高速移動中で電話が聞こえにくいが、こんな時間に電話なんて不吉以外の何ものでもない。
まさか、と思ったが用件はそのまさかであった。
電話口の担当者の声が消え入るようで聞き取りにくい。ただでさえ移動中で電波の弱い地帯に入ったところで、「社長が急用で出かけることになり、今日の取材はできないことになりました。申し訳ありません」というドタキャン電話であった。
車は高速を突っ走っている。すぐには止まれない。
「常務はいらっしゃるのですか?」
「常務も一緒に出かけました」
これで完全に中止が決定する。
電話がかかってきた場所のタイミングが良かったのか、悪かったのか、電話を切ってすぐインターの出口があった。そこを出たところですぐにUターンした。その出口を逃していたら三重県に入るまでインターがない。タイミングがいいといえばいい。
今回のドタキャンは実は2回目。
前回は7月。その時は予定した日の前日ぐらいにキャンセルだったので、今回のように移動中のドタキャンではなかったのが幸いだったが、前科があるだけに担当者から電話が来るたびにドキッとする。
予定していたインタビューよりも大事な仕事が入った、ということなのだろう。
まだ、一度も顔を合わせていないので、優先順位も低くキャンセル対象になるのだろう、と自分自身を納得させるしかないが、一緒に動いている人もいるわけでアポは守って欲しいものだ。
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