再生した心斎橋そごうは4年で閉店してしまったように、百貨店ビジネスは昭和の時代と共に終わった、というのが昔からの持論だ。
大阪の超一等地で、どんなにいじくってもそごうが再生できなかった理由は何か?
それは専門家でもないので分からないが、百貨店の売上げは外商の力もかなり必要だ。百貨店志向のセレブの家にはお抱えの外商がいるものだ。
セレブは特に体裁を気にする。
そごう、というブランドは一度倒産したイメージがあるので、セレブからすると包装紙としては使えない。外商の売上げが再生そごうを支えきれずにこけてしまった、という見方はどうだろうか?
そんなジリ貧の、そごうの灯がまた一つ消える。
赤字続きの八王子そごうが来年2月に閉店することが決定した。
職場を失う暗い話しに、さぞかし働いている社員は落ち込んでいるのか、と思ったら、中にはそうでない人もいるようだ。
「ウチにはカリスマ的リーダーも不在で、どんなテコ入れをしても業績は一向に回復しませんでした。皆自信を失くしていました」とは八王子そごうの社員の弁。
年は40代。
この年で職場を失うことにさぞかし不安を抱いているかと思ったら意外な答えが返ってきた。
「全員が配置転換されるのでよかった、と思っています。もう1回やり直せる。最後のチャンスをもらった気分でワクワクしています」
セブンアンドアイグループ傘下で、百貨店ではないところへ配置転換されることに期待している。たとえ、それが今のポジションより降格になろうとも。
この話しを聞く限り、どれだけ、売り場の雰囲気も沈滞していたかが分かる。百貨店なんか賑わっているのは地下の食品フロアーぐらいなもんで、客より従業員の数の方が多いフロアーは一杯ある。
人間、働いていて暇を持て余すことほど辛いものはない。
しかも、どんなに努力しても百貨店でモノを買わないだけでなく、お客が百貨店へ足を運ばない時代なのだから、働く社員もモチベーションは下がる一方だ。
そんな組織だから組織の体をなしていない。
暇な百貨店で働いていると人間の思考回路も停止する、というもの。
だから現場の知恵も働かず百貨店業界は、ますますジリ貧になっていく。
パチンコ業界以上に実は事態は深刻だ。パチンコ同様百貨店がなくても人間は生きて行ける。
時代の変化で百貨店というビジネスモデルは遠の昔に終わっていることは、再生心斎橋そごうの閉店で分かっているはずだ。
地下鉄駅直結という超一等地でも集客できないのだから、大半の人は百貨店には何も求めていない。県庁所在地に1軒残れば上出来、というのが百貨店でもあろう。
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