第六感がピン、と働いた。
これはきっとそうに違いない。
確信した。
一番最初に群馬県前橋市の児童相談所に新品のランドセル10個が届けられたのは、先月25日、クリスマスの日だった。
玄関先にピラミッドのように積まれていた。
差出人の名は伊達直人。そう、漫画タイガーマスクの主人公。プロレスで稼いだ金で孤児院にプレゼントを贈っていたあの伊達直人だ。
年が明けて1月5日には小田原市にやはり伊達直人の名前でランドセル6個が届けられていたのを皮切りに、7日は沖縄に伊達直人を名乗る男性がバイクで訪れ、ランドセル3個を。
同日、静岡で伊達直人名で「私も参加させてもらいます」と10万円の現金が児童養護施設へ届けられた。
神出鬼没な伊達直人は、9日には岐阜県の児童福祉施設へランドセル5個を贈ることになる。
伊達直人に便乗したのは、7日、長野県中央児童相談所へ届けられたランドセル6個。贈り主名は「遅れてきたサンタクロース」だった。
これは新手のプロモーションに違いない、と想像を膨らましてみる。
仕掛けているのはもちろん、直接的なランドセルメーカーではない。贈り主の伊達直人に引っかかるものを感じる。
今、テレビでタイガーマスクの再放送が流れているわけではない。
この時期にタイガーマスクといえば、SANKYOから発売されているパチンコのタイガーマスクだ。テレビCM好きのSANKYOだが、タイガーマスクのCMを見た記憶がない。
大晦日から目を惹いているのは、ジャガー横田夫婦が登場している大一のタイタニックのCMだ。
SANKYOがカネをかけずに、タイガーマスクの名前を広める方法として、伊達直人ランドセルプレゼント作戦を仕掛けたのではないか、と。
で、こういうことは必ず模倣する人が出てくるので、ちょっとメディアでニュースが流れたら後は、各地に伊達直人が現れてランドセル贈ってくれる。
パチンコのタイガーマスクに対しても悪いイメージは持たない。
今やっとランドセルプレゼントは注目を浴び始めたわけだが、後、何人の伊達直人が登場するのだろう。
打ち止め、予定終了はまだ早い。
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