1時間47分06秒。
自己新記録だ。
素人がハーフマラソンでこれぐらいの記録で走ったらすごいが、マラソンの記録ではない。
それはTさんからの電話だった。
記録とは通話時間だ。
ついにめでたく契約を結ぶことができた。その報告かたがた電話がかかってきたのだ。連日、徹夜して用意周到に事前の資料を作り、セミナーに臨んだ。
自分が経験してきたことの集大成をデータと共にぶつけた。その想いが経営者をはじめ社員にまで伝わった。
経営者は「自分が変わらなければ会社は変わらない。そのきっかけを作ってくれたことを感謝する」とTさんと2人で深夜まで酒を酌み交わした。
Tさんは今回のチャンスにすべてを賭けた。願掛けに金剛山へ登った。初めての登山でもあった。腰痛を抱えながら自分の限界へ挑戦した。
電話は契約の話しから国際情勢に至るまで多岐にわたり、話しは尽きない。
と、いってもこっちは相槌を打っているだけなのだが。
電話口から氷の音が聞こえる。恐らく焼酎のロックでも飲みながら電話しているのだろう。
Tさんには新たな目標ができた。
1年後、富士山に登ることだ。
そのためには、六甲山系などを登りながら体を鍛えていく、という。
仲間内でもTさんにつづきたい。これをきっかけに、Hさんの角度器、MさんのCSなどが控えている。
船井幸雄流の成功のコツの中に、「ツキのある人と付き合え」というのがある。
ツキに見放された人間同士が集まっても聞こえてくるのはボヤキしかない。ツキのある人には様々な人脈も広がり、そこから新たなビジネスチャンスも生まれてくる。
Tさんについていこう。
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