創刊は昭和18年。初代社長は衆議院議員。地元の岡山には銅像まで立っている。
最盛期にはビルの5フロアーを占め、黒塗りのハイヤーに社旗をなびかせて取材に向かった、という。繊維メーカーのトップにも簡単に取材できた。
そんな歴史ある業界紙が6億円の負債で倒産した。
日刊紙だった。
新聞社にとって発行することが命だが、印刷屋との信頼関係がこじれ、現金と引き換えに印刷するような状況だった。
印刷代にも苦慮するぐらいだから、社員の給料も遅配が続いた。
広告収入が頼りだが、広告も減った。シロ場で印刷するわけにはいかないので、タダ広告で余白を埋めることも日常化していた。
最後は手形が不渡りとなり、あえなく自己破産。再建はしない。世の中から必要とされなくなったら、その世界から退場するしかない。
職を失った社員は中高年が多い。
せっかく築き上げた財産を引き継ぐべく、再建を夢見る幹部もいるようだが、どんな形で再建するのか興味はある。
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