チリは日本の裏側に位置する。遠い遠い遥かかなた世界。普段、日本人がチリと関わることは少ないが、わが家ではチリ産の塩鮭が朝の食卓を飾る。
5切れで490円。
そんなことはさておき、奇跡の生還劇が完遂した。
チリ鉱山の落盤事故で地下700メートルの地底に閉じ込められた33人が、事故から70日目にして全員が無事地上に舞い戻った。
日本時間で10月14日。いずれ、この日は奇跡の生還日としてチリの祝日になるのではないだろうか。今のピニェラ大統領ならそれぐらいやりそうだ。
しかし、今でも信じられないのが気温35度、湿度80%以上の過酷な環境で70日も耐え抜いたことである。日本のテレビ局が同じ環境で人間はどれぐらい耐えられるか実験していたが、大半が1~2時間でギブアップしている。
ということは、テレビ局がセットで作った実験施設と実際の地下シェルターが、同じ状態とは思えない。
例えば、摂氏と華氏を根本的に間違えたまま報道していた。実際は日本のセットほど劣悪な環境ではなかった、としか思えないぐらい2番目に生還した炭鉱夫は元気に満ち溢れていた。
いずれにしても、立派なリーダーがいて役割分担や規則正しい生活を送ってきたから、全員が無事生還することは間違いない。
さっそく「33人」というタイトルで12月には映画も完成するようだが、この生還劇は映画の世界を彷彿とさせる。
世界の関心はどうやって70日間を耐え抜いたか、という1点だ。33人の中にそれぞれの役割があり、70日間で連帯感も強まった。
それが、最後まで残ることを譲り合ったことでも伺える。
33人の人生はこれから一変する。
映画制作、手記、テレビ出演などで、一生働かなくてもいいぐらいの、大金がころがり込んでくるかもしれない。
リーダーや2番目に救出されたムードメーカーには、色々なところから仕事のオファーが来そうだ。リーダーは政治家に転身して、将来の大統領になるかも知れない。
全員が無事救出されたことで、早くも大統領が人気取りのために、今回の落盤事故をフルに活用した、との声も聞こえ始めている。
ヒーローに祭り上げて、その後は叩くのがマスコミの常套手段。
パパラッチが次に狙うのは叩くための材料だろうから、33人は気をつけたほうがいい。
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