美談ラーメン
2010年 08月 09日
これをTBSの「ひるおび」が取り上げていた。それを見ていてピン! と来るものがあった。
世知辛く、暗い話題ばかりがニュースで流れる中、何とも心温まる話題ではないか、と思ったのも束の間。ひょっとして、これ? と首を傾げたくなる光景が目に飛び込んできた。
30代のめがねをかけた男性客が100万円を置いていったのは7月27日。
店長は、素直に受け取るわけにもいかないので、警察へ拾得物として100万円を届けた。持ち主が名乗りを挙げなければ3カ月後には届けた本人のものとなる。
大金を置いていった男性は翌日電話をかけてきて「100万円はどうした?子供たちにラーメン食べさせている?」と念を押す電話があった。
店長はこの男性の行為を無にすまい、と1540杯分のラーメンを高校生以下の子供たちに無料でふるまうことにした、という。
無料サービスは8月2日からはじめ、5日目の6日に予定終了。マスコミが取り上げたのが8月8日。
無料ラーメンの顛末はそういうことだが、1540杯分のメッセージが店内に張り出されているのを見て、これはちょっとできすぎではないか、と下衆な考えが頭をよぎった。

とても、 ラーメン屋の店長のアイデアではない、と思った。
店長の前職がデザイナーなら別だが。
1杯目から1540杯目までパソコンを使ってデザインされている。店の外にも「1540杯無料」を謳う、でっかいポップが張り出されていたが、これもプロの仕事。
取材する側からすると、これほど絵になる素材もない。1540杯の無料サービスは終わっても、やっていたことがそれを見ただけで一目瞭然となる。
ひるおびでは、この足長おじさんを警察OBを使って犯人を捜すかのように、プロファイリングしていた。
近くに住之江競艇があるので、そこで勝った客ではないか、との予想を立てていた。100万円の束の帯が無地なら競艇場から引き出されてもの。
銀行で引き出した場合は、銀行名の入った帯封になっているので、そこでカネの出所が分かってくる。
現在、100万円は警察へ拾得物として届けているのでその確認はできていない。
だが、カネの出所は関係ない。
店長は100万円を置いていった男性の心意気を感じて、100万円分のラーメンを身銭を切って振舞ったことになるが、全国紙や全国ネットでこの話題が流れるのだから、宣伝効果としては100万円分の元は十分とっている。
これで店の認知度は赤丸急上昇中だ。
と思えるぐらい、この1540枚のありがとうメッセージはよくできている。
人気ブログランキング