朝青龍問題に終始している間にトヨタが大変な事態に追い込まれている。
リーマンショックによる赤字転落後、アメリカで販売していた車種のアクセルペダルの不具合で大量リコールの最中に、トヨタの孝行息子であるプリウスに今度はブレーキの不具合が出た。
再生しようとしている時期に相次ぐリコール。
泣きっ面に蜂。
トヨタ最大の危機に直面している。
アメリカでリコールの原因となったアクセルペダルについては、製造したアメリカの部品メーカーに対してリコールにかかった費用を請求する構えのようだ。
GMを再生したいアメリカ政府によるトヨタ潰しかと勘ぐりたくもなる。
品質管理にはうるさいトヨタが、ナゼこんな事態に陥ったのか?
トヨタには失敗した原因を探るために「5回のなぜ?」がある。
5回のなぜを繰り返すことで、本当の原因を探り出す。トヨタでは問題を引き起こす本当の原因を
「真因」と呼んでいる。
例えば、作業中のロボットが突然止まった。
現場担当者はなぜ止まったかを調べる。これが最初のなぜだ。
調べるとヒューズが飛んでいた。ヒューズを取りかえるが、また、ヒューズが飛ぶ可能性があるので、ヒューズが飛んだ原因を調べる。
これが2回目のなぜだ。
ロボットのカバーを外して中を調べると潤滑油を送るオイルポンプがうまく動いておらず、潤滑油が回っていないことが分かった。
どうして、潤滑油が回らなかったかを調べるのが3回目のなぜだ。
ポンプの潤滑油が送られるところに切り粉が付着していることが分かった。切り粉が詰まってポンプがうまく作動していなかった。
この場合、エアクリーナーを使って切り粉を取り除くだけでは不十分だ。なぜ、切り粉がポンプに詰まったかを調べなければ、根本的解決にはならない。
これが4回目のなぜだ。
さらに原因を探ったところ、切り粉が入らないように設置されているフィルターが外れて、そこから切り粉がポンプに紛れ込み、ロボットは止まった。
このように、なぜを繰り返すことによって「真因」を見つけて解決する。
この場合の解決策は外れたフィルターを元通りにはめることだが、これでは問題が完全に解決されたわけではない。
何かの拍子に再びフィルターが外れる可能性がある。なぜ、フィルターが外れたか。
これが5回目のなぜだ。
ここで、フィルターが二度と外れないように、改善を提案して、同じ問題が起こらないようにする。
なぜを5回繰り返し、表層的原因から深層的原因を粘り強く突き止めていく。
これによって、組織体質が強化され、人も育つ。
そんなトヨタ流も北米では、部品をアメリカのメーカーから調達しているが、指導が徹底されていなかった、ということかも知れない。
ただ、今回は国内生産のプリウスに欠陥が発生した、ということはコスト削減のために、5回のナゼを4回にカットしてしまった?
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