TBSの社会貢献をテーマにしたドキュメンタリー番組「ワンステップ」。
困っている人たちを助けるべく、都会の若者が過疎の田舎へ出向いて地域の人と触れ合うことで、感動の輪を広げていく。
カリスマ美容師が島へ出かけてお年寄りの髪の毛を切ったり、工学部の大学生が電化製品の修理をしたり、人手不足の酪農家で牛の出産を手伝ったり、動物病院がない島へ獣医が出向いたり、漂着ごみの海岸をきれいにしたり、高齢化の集落で草刈の手伝いをしたり…
最初は戸惑う地元の人も目的を理解すると、積極的に依頼するようになり、時には失敗もあったりするが、それを乗り越え困っていたことを一つずつ解決していく。
めでたし、めでたしで番組は終わる。
この番組を見終るたびに何かひっかかる。
読後感が悪いというか。
限界集落といわれるような高齢化が進む過疎の村へ行くケースが多いが、この人たちが本当に喜ぶのは一過性のボランティアではなく、定期的なもので、できれば若者がそこへ移住して、ずっと生活を共にすることではないか。
こういう一過性の社会貢献は、その後の落差が大きくなることもある。離れ離れのばあちゃんと孫が何十年ぶりかで再開し、喜んだのもつかの間。やっぱり来年以降の盆・正月には再び帰ってくることはないようなもの。
社会貢献ごっこをやっているテレビ局と番組スポンサー、参加者のマスターベーションで終わっているような気がする。
まだ、番組はスタートして1年あまり。番組が続くのであれば、その後定期的に訪れている若者の近況報告も必要だろう。
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