「今日は俺は応援に来ているので写メはやめてくれる?今日のメインは亀田興毅だからそっちを応援して!」と場内のファンに向かって叫んだのは市原隼人。
3月4日、さいたまスーパーアリーナで行われた亀田興毅VSドローレス・ビダルのノンタイトルマッチで、市原隼人はリングサイドの解説席に座っていた。この日は初めての仕事となるリングアナウンサーという大役を果たした後だった。
今や旬の人気者が目の前にいるとなれば、ファンも写真を撮りたくなるもの。おまけに情熱大陸のカメラが密着しているとなれば、ファンも余計に盛り上がる。
市原隼人が観客席側を向けば、ケータイのカメラが一斉に向けられる。
前置きが非常に長くなったが、市原隼人が発した「写メ」に思わず食いついてしまった。
皆、自然にケータイで写真を撮影することを写メ、写メと呼ぶようになった。
そもそもは今は亡きJフォンが、藤原紀香を起用したコマーシャルの写メールが語源で、撮って、送って、見るメールのことだった。
それが、いつのまにかケータイで写真を撮影する行為自体を写メと呼ぶようになってしまった。
まったく、使い方を間違っているのにそれがさも正しいかのようになっている。
一度浸透してしまうと、新しい呼び名を考えても徒労に終わる場合が多い。
たとえば、ゲーセン。
正式名称はゲームセンターだが、ゲーセンを運営する組合がこの呼び名はイメージが悪いということで「アミューズメントセンター」と呼ぼうとキャンペーンを張ったが一向に浸透しなかった。
まず、長ったらしい呼び名では浸透しないということ。
日本人は略すのが大好きなので、写メに代わる適当な呼び名といえば、ケータイのカメラ機能で撮影する写真だから「ケー写」。
最初にケー写と呼び始めていたら、今頃はそれが当たり前になっていたんだろうが。
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