4月4日、天気がよければ予告通りテポドン2が発射される。そのころ日本は花見のピークを迎えている。
98年に発射したテポドン1号との大きな違いは、この10年あまりでおもちゃからミサイルへと成長したことか。イランへの技術供与による発射実験も成功しており、1号の航続距離1500キロから8000キロへと飛躍的に延び、アメリカ本土へも到達する性能を有している。
テポドン2発射の動きを最初にけん制したのは麻生首相だった。
3月2日
「日本に直接被害が及ぶ可能性があれば、自衛隊法上は対処できる」と発言。世界はこれを「迎撃宣言」と受け止めた。
さらに3月5日には河村建夫官房長官が「尖閣諸島攻撃された場合、日米安保条約の対象になる」と発言。これに呼応するかのように迎撃に慎重だった浜田防衛大臣、中曽根外務大臣も迎撃の可能性を示唆するようになった。
この反応に一番驚いたのが北朝鮮だった。
3月8日には北朝鮮の軍部スポークスマンが「迎撃は戦争を意味する」とテレビで日本側をけん制した。
そういう経過を踏まえて北朝鮮は3月12日、IMOにロケット打ち上げを通告した。
北朝鮮と仲のいい中国は、麻生首相の訪中を招待しておきながら3月17日に延期を申し入れた。何とも失礼なことだ。
麻生政権は福田政権のような弱腰外交ではなかった。
3月19日にはテポドン2を発射すれば「追加の経済制裁も行う」と発表した。
これにすぐに中国が反応。「日本には冷静な対処を望む」とコメントを発表している。
これこそが外交の駆け引きだという。お互いに強いことをいって、その真ん中辺りに落としどころを求める。
さて、問題は実際に日本の戦力で迎撃できるかということが問題になる。日本海に配備される「こんごう」と「ちょうかい」から迎撃ミサイルが発射されるが、テポドン2が高い高度で打ち上げられた場合は、届かないのが実情で、高度が200キロに達するまでに発射しないと撃ち落すことはできない。
迎撃に失敗すれば麻生政権としては致命傷に。成功すれば将軍様の面目は丸つぶれで、北朝鮮が外貨を稼げるミサイルビジネスに終止符が打たれることになる。
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