プリウスに乗っている社長がいる。助手席に乗った。静かだ。停車している時はエンジンも止まる。燃費のよさには社長も舌をまいていた。
それまで、ベンツやBMWに乗っていた。リッター4~5キロしか走らない。それがリッター25キロも走る。実にドイツ高級車の5~6倍の燃費に「ガソリンが減らない」と贅沢な悩みを打ち明けた。
しかし、プリウスの値段を聞いてびっくりした。
なんと、350万円もした、という。
最高級グレード。
諸経費込みとしても、みてくれはカローラとたいして変わらない大衆車。それなのに、値段はカローラが2台は買える。思わず腰を抜かした。
それ以来、プリウス=ハイブリッド車は高いイメージを持っていた。
そんな概念を打ち破ったのがホンダのハイブリッド車「インサイト」だ。2月に発売するやいなや、リッター30キロの燃費に加え、189万円という本体価格に、車が売れない時代にたちまち人気車種に躍り出ようとしている。
なんといってもプリウスよりも断然カッコいい。
排気量は1300CCでプリウスよりパワーは劣るが、値段が安くてスタイルがカッコいいとなればインサイトはフィットのように黙ってても売れる。
強力なライバル出現に危機感を持ったトヨタは、さっそく旧型プリウスの値下げを発表。最低価格を189万円に引き下げたが、発売から5年。そろそろデザインでは飽きがきている。デザインではインサイトに軍配を上げる。
トヨタの独断場だったハイブリッド市場が、ホンダの本格参入によって確実に崩れ去ろうとしている。
トヨタが新時代のカテゴリーカーとして投入したiQもまだ街中で見かけたことは一度もない。完全にセカンドカー的存在だが、そんな余裕は国民にはない。
iQを買うぐらいだったらマツダのデミオを選択する。
話はハイブリッドカーに戻るが、低速時はモーターで動いているため、エンジン音が出ない。そのため、歩行者は車が近づいていることに気づいてくれない、という。
ハイブリッドカーが普及すると新たな交通事故の発生が心配される。
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