「お客さま、マジでございますか」
「お客さま、お肉はおなくなりになりました」
最近、客との会話を聞いていたチーフパーサーは思わず腰を抜かした。本人は丁寧語を使っているつもりなのだろうが、正しい日本語が使えない若いCAが増えている。
この現状を突き付けられ日本語の再教育から始めた。
今や不況産業の真っ只中に位置する航空業界は、9・11事件で客が激減。経営の危機が叫ばれた。
その後もサーズ問題、原油価格の高騰、中国毒餃子事件、バンコク空港閉鎖などの外的要因が起きるたびに、客が減り続けている。
そこへもってきてアメリカ発の世界的金融不安がダメを押した。
今回の経営危機は9・11の時をはるかに上回る危機感が航空業界を覆っている。
そういえば、出張そのものが少なくなり、長らく飛行機に乗っていない。最後に乗ったのはいつのことなのかも忘れた。
最近も航空大手2社は関空発着の地方10路線ぐらいを廃止する、と発表していた。
そんな状況で今年夏の静岡空港の開港に伴い、フジドリームエアラインズが新たに参入する。国内線は小松、熊本、鹿児島の3路線でスタートするが、就航前から赤字が見えている。
航空会社は減る一方のパイの奪い合いを展開中なのだが、そのために各社が力を入れているのがCA教育だ。
もう一度乗りたくなるかどうかは、CAの接客にかかっている。
今から30年前のスッチーは憧れであり、花形職業だった。勤続平均年数は3年ほど。寿退社が当たり前で、定年は30歳だった。
それがいつの間にか客室乗務員と呼び名が代った。
定年も60歳となり、結婚しても辞めず、出産しても辞めない。CAも時給制のパートタイムになり、給料も決して高くない。
もはや憧れの職業でもない。
それでも憧れるのは有名人に会える、プロ野球選手と結婚できるチャンスがある、といった類だろうか?
さすがに現役CAがこのブログを読んでいるとは思えないが、教育とは一種の企業宗教でマインドコントロール的な一面もある。特に安い給料で働くCAには欠かせない。
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