アメリカで開かれた金融サミットで麻生首相はドル基軸体制の堅持を訴えた。それはいうまでもなく、アメリカの国債を大量に抱えている日本がドルが暴落すれば、瀕死の重傷を負うことになるからだ。
世界有数の投資銀行であるゴールドマンサックスのトップは、秘密裏に来日して三井住友フィナンシャルグループの首脳と会談してこんな発言をしている。
「われわれは公的資金も注入された上、時価会計も凍結された。もう安心。これから大変なのは日本の金融機関だよ」
日経平均株価が8000円を割ると三井住友と三菱UFJは自己資本比率に黄信号が点る。自分の元手が足らなくなって国債の決済ができなくなる。
金融機能強化法の適応を地銀だけではなく、メガバンクにも回してくれと訴えている。
アメリカのビッグ3の一角であるGMが、従業員の給料も支払えないほどの危機に直面している。そこで政府に対して「カネをくれ」。
民間企業を救済するか、しないかも二転三転している。
GMの場合直接雇用で10万人、下請けの関連企業を含めると250万人が路頭に迷う。
アメリカ政府がGMを救済するとすれば、アメリカは新たに国債を発行して借金するしかない。それを買い支えしていたのは日本や中国だったが、もはや支えるだけの余力は残っていない。
アメリカが借金できなくなれば、アメリカの信用はがた落ち。その次に訪れるのはドルの暴落だ。
日本が保有するアメリカ国債は紙くずになる。それを恐れて、ドル基軸体制を訴えているわけだが、ドルに変わる新しい基軸通貨として「円」。
円高を利用して海外の天然ガスを買うことで日本が立ち直れるチャンスだ、というのは青山繁晴。
金融サミットでブッシュの最後のあいさつを聞いてもアメリカは反省や謝ることは絶対にしない国だということが改めて分かった。
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